プロポーズドセッション
2050年の水文学
代表コンビーナ: 沖大幹(東京大学・教授)
共同コンビーナ: 小槻 峻司(千葉大学・教授),中村晋一郎(名古屋大学・准教授),檜山哲哉(名古屋大学・教授 )
セッションの趣旨: ICT技術の進歩により現地観測,リモートセンシング,モデリングが過去 30 年で劇的に変化した.さらにAI/深層学習のおかげもあって水文分野における測定精度や予測精度は大幅に向上して,自然現象や社会システムの設計・制御を可能としつつある.一方で,自然現象に留まらず,人間社会と水循環の相互作用を長期的視野において理解する社会水文学研究が進展を見せ,社会と科学者が協働する超学際研究も盛んになってきている.
これまでの観測・モデリング・社会水文学研究・超学際研究の進展により,どのようなプロセスが分かり,水文学はどのように進化を遂げてきたのだろうか.また今後,水循環と人間活動を含めた水文学には,どのような研究が求められ,進展するだろうか.本セッションでは,これまでの水文学の進化を踏まえ,2050年の水文学に向けて,挑戦し甲斐があってこれから取り組むべき学術的課題を議論する.
電波水文学
代表コンビーナ: 瀬戸心太(長崎大学・准教授)
共同コンビーナ: 久保田拓志(宇宙航空研究開発機構・研究領域主幹),内海信幸(東京工業大学・准教授),山崎大(東京大学・准教授)
セッションの趣旨: 電波(マイクロ波)によるリモートセンシングは現代の水文学に不可欠である.10周年を迎えたGPMをはじめ,SWOT・EarthCARE・AOSなどマイクロ波センサを搭載した衛星観測が次々と運用・計画されている.その対象は,降水・雲・地表水・河川水・土壌水・雪氷など様々な水文過程をカバーする.代表的な例として全球降水マップGSMaPは国内外で広く使われており,リアルタイム水文予測による河川流量や浸水域の監視にも活かされている.こうしたマイクロ波リモートセンシングを用いた水文学を「電波水文学」と名づける.電波水文学は,個別の水文量プロダクトの作成にとどまらず,複数のセンサ・プロダクトの融合利用,モデリングとの組み合わせによる水文過程の横断的な理解を目指す.本セッションでは,マイクロ波リモートセンシング(上記の他,マイクロ波放射計・SARなど)を利用した最新の研究を募り,電波水文学の現在地を確認するとともに,今後の方向性・目標を議論したい.
学術的学会の総力を流域治水の推進力へ
代表コンビーナ: 手計太一(中央大学・教授)
共同コンビーナ: 吉田貢士(東京⼤学・教授),吉見和紘(富山県立大学・講師),中村要介(三井共同建設コンサルタント株式会社・部長)
セッションの趣旨: 気候変動を踏まえ,あらゆる関係者が協働して流域全体で行う総合的かつ多層的な水災害対策として,国土交通省が中心となって流域治水という新しい治水政策へと舵が切られた.令和3年には通称「流域治水関連法」が全面施行し,全国109全ての一級水系,そして12の二級水系で流域治水プロジェクトが策定・公表された.しかしながら,治水対策の要素技術のほとんどは定量評価にいたっておらず,また,定量評価に欠かせないアンサンブル予測には不確実性がともなうため,ステークホルダー間の合意形成の現場に耐えうるレベルに達していないのが実情である.そして,本当に理想通りにあらゆる関係者が協働しているのだろうか?学際的かつ総合的研究を重視する水文・水資源学会は何ができるのか?本セッションでは,昨年度に引き続いて実際の現場における課題・問題を共有し,解決に向けた議論をする。
発表申し込み:一般の研究発表と同様に申し込んで頂きます.申し込み区分の該当するプロポーズドセッション名を選択してください.
セッション編成:発表申し込み登録締切後,直ちに代表コンビーナに要旨送付の上,プログラム編成を依頼します.
代表コンビーナの裁量:各発表の発表時間,発表の採否とします.
採用されなかった発表の取扱は一般の発表と同様に実行委員会に一任されます.
水文・水資源学会 2024年度研究発表会 大会実行委員会
プロポーズドセッション係
E-mail:jshwr_2024@rainbow.iis.u-tokyo.ac.jp