講演情報

[KSY4_02]急性期から回復期へのシームレスな移行を目指して~回復期が直面する情報乖離の現状と臨床における課題~

岡﨑 雅実 (洛西シミズ病院 リハビリテーション科)
略歴(主な学歴・職歴)
2016年 大阪行岡医療大学 卒業
2016年 医療法人 清仁会 洛西シミズ病院 リハビリテーション科 入職
 急性期から回復期への円滑な移行は、質の高いリハビリテーションを継続し、患者の在宅復帰やその後の生活を支援する上で重要である。しかし、転院時に共有される診療情報提供書やサマリー、地域連携パスなどの書面上の情報は、診断名や治療経過、画像所見、リハビリテーションの実施内容といった医学的情報が中心となることが多く、回復期での支援に必要不可欠な生活背景や本人・家族の思い、生活目標といった情報が十分に共有されていない現状がある。
 回復期リハビリテーションでは、患者の身体機能やADLの改善だけでなく、「これまでどのような生活を送ってきたのか」「退院後にどのような生活を送りたいのか」「家族の介護力や住宅環境はどうか」といった情報を踏まえ、患者一人ひとりに合わせた目標を設定し、在宅復帰に向けた支援を進める必要がある。しかし、これらの情報が十分に引き継がれなかった場合、回復期では患者や家族から改めて情報収集する必要が生じ、患者理解や生活課題の把握に時間を要してしまう。その結果、急性期で把握されていたはずの患者・家族の希望や生活背景、退院後の生活に向けた支援の方向性を回復期で十分に反映できず、患者の価値観や生活目標に沿ったリハビリテーション目標の設定や退院支援の実施に影響を及ぼす可能性がある。
 本シンポジウムでは、当院回復期病院で受け入れた一事例を通し、急性期から回復期への移行において、患者の生活や目標をどのように継続し、支援していくかという視点から情報共有の実際を振り返る。急性期への入院から回復期への転院に至るまでの経過や転院時の状態・実際の申し送り内容をもとに、回復期で患者を理解するために必要であった情報や在宅復帰支援を進める上で役に立った情報を整理する。本症例を通して、患者・家族が大切にしてきた思いや希望、生活背景を踏まえた支援をシームレスに継続するために、病院間でどのような情報を共有し、連携していくことが望ましいかを検討したい。