講演情報

[KSY1_03]地域の高齢者が元気で暮らすための戦略

有馬 尚彦 (医療法人啓信会 介護予防デイサービスセンター リエゾン萌木の村)
略歴(主な学歴・職歴)
1999年3月 神戸学院大学 経済学部経済学科 卒業
1999年4月~2002年3月 株式会社やよいにて医療機器営業職として勤務
2005年3月 関西総合リハビリテーション専門学校 理学療法学科 卒業
2005年4月 医療法人啓信会 京都きづ川病院 入職
2006年4月 医療法人啓信会 介護老人保健施設萌木の村へ異動
2007年5月 介護予防デイサービスセンター リエゾン萌木の村の立ち上げに携わり、以後継続して運営に従事
2008年9月 医療法人啓信会 京都きづ川病院へ異動
2012年9月~現在 介護予防デイサービスセンター リエゾン萌木の村 管理者                  
関連資格
介護予防主任運動指導員
城陽市では、住民主体の一般介護予防事業として「ゴリゴリ元気体操」を2017年度より実施している。本事業は、城陽市からの委託事業で、地域包括支援センターと医療法人啓信会が協働し、理学療法士(以下、PT)が期間を限定して体操指導を行った後、住民自身による自主運営へ段階的に移行する仕組みである。最初の1か月はPTが週1回の指導を行い、その後は地域包括支援センターの支援を受けながら自主活動へ移行し、約3か月後の事後評価、以後6か月ごとのフォローアップを継続している。2026年までに24団体で実施し、23団体が自主運営を継続している。
本活動の特徴は、運動機会を提供することをきっかけとして地域住民が定期的に集まり、自ら活動を工夫し、人との交流や役割を持つ場へ発展している点にある。身体活動に加え、活動予定を意識する、体操の流れや動きを理解し、進行の方法を考えるといった認知的活動が自然に生まれ、さらに顔見知りとの交流、団体によっては茶話会、歌などの社会活動へ広がっている。このように、認知症予防・介護予防に重要とされる身体活動、知的活動、社会活動が、一つの通いの場の中で自然に重なり、地域の日常として継続されている点に本活動の特徴がある。
また、認知機能が低下した参加者に対し、地域住民と家族が協力して参加を支え、来所時には「よーきたねー!」と迎え、体操を間違えても温かく見守り、やがては本人が自ら実施日を認識して参加できるようになった事例もみられた。このことから、本活動は「認知症を予防する場」にとどまらず、認知機能が低下しても地域とのつながりを保ち、安心して帰ってこられる居場所となり得ると考える。
一方、参加者・担い手の高齢化、専門職によるフォローアップ業務の増加、地域リーダーの役割づくり、新規参加者を取り込みにくい地域構造などの課題もある。今後も住民を主体として、専門職が節目で伴走する支援を継続し、安心して年を重ねられる地域づくりにつなげていきたい。こうした住民主体の通いの場の継続そのものが、地域における介護予防・認知症予防の基盤になると考える。