講演情報
[JO1-02]腰部脊柱管狭窄症術後に残存した不良姿勢に対するストレッチ指導により姿勢改善を認めた1症例
*山下 輝昭1 (1. 磐田市立総合病院)
キーワード:
ストレッチ、腰部脊柱管狭窄症、姿勢改善
【症例紹介】
症例は40歳代男性。2024年4月より腰痛および左下肢放散痛が出現し、腰部脊柱管狭窄症と診断された。内服やブロック注射による保存療法を受けたが症状は徐々に増悪したため、2026年2月にL4/5椎弓形成術を施行し、術後10日で自宅退院となった。術前は腰痛に加え、下肢放散痛、間欠性跛行、下肢しびれを認め、不良姿勢が持続していた。術後は疼痛および間欠性跛行は消失したが、下肢しびれは軽度残存し、不良姿勢も改善しなかったため、術後1か月より理学療法を開始した。
【評価とリーズニング】
2026年3月に初回介入を実施した。関節可動域(右/左)は股関節伸展15°/5°、SLR60°/50°、体幹屈曲30°・伸展20°・側屈20°/30°・回旋20°/30°であった。立位姿勢では体幹屈曲、左側屈・左回旋、腰椎前弯、左股関節屈曲、右重心が認められ、足外側から足趾へのしびれも軽度残存していた。術前より疼痛や神経症状を回避する姿勢・動作を長期間繰り返したことで、軟部組織の短縮および柔軟性低下が生じ、術後も可動域制限や不良姿勢が残存したと考えた。そのため、姿勢改善には短縮した軟部組織の柔軟性改善が必要であると推察した。
【介入内容と結果】
週1回、関節可動域の確認、ストレッチ、セルフストレッチ指導、鏡を用いた姿勢調整を実施した。ストレッチは股関節伸展、SLR、体幹回旋・側屈を対象とし、自宅では20~30秒保持を3~5回、1日2回実施するよう指導した。介入開始1か月後、股関節伸展20°/20°、SLR75°/70°、体幹屈曲40°・伸展30°・側屈35°/40°・回旋35°/40°まで改善した。立位では体幹屈曲および過度な腰椎前弯が軽減し、股関節屈曲位と左右への重心偏位も改善した。一方、体幹の左側屈・左回旋は軽度残存した。日常生活への不安も軽減し、計4回の介入で終了した。
【考察】
腰部脊柱管狭窄症術後は神経症状や疼痛の改善が期待される一方、術前から形成された不良姿勢や軟部組織の短縮は術後も残存することがある。本症例では疼痛は消失したにもかかわらず不良姿勢が残存したことから、神経症状だけでなく柔軟性低下が姿勢異常の一因であったと考えられた。関節可動域制限に対するストレッチ指導により柔軟性が改善し、それに伴い姿勢も改善したことから、術後早期に運動機能障害を評価し、適切なセルフストレッチを指導することは、不良姿勢の改善および機能回復を促進する一助となる可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本報告はヘルシンキ宣言に基づき、対象者に発表の趣旨を十分説明し、書面による同意を得た。また、個人情報保護に十分配慮し、個人が特定されないよう匿名化して報告した。
症例は40歳代男性。2024年4月より腰痛および左下肢放散痛が出現し、腰部脊柱管狭窄症と診断された。内服やブロック注射による保存療法を受けたが症状は徐々に増悪したため、2026年2月にL4/5椎弓形成術を施行し、術後10日で自宅退院となった。術前は腰痛に加え、下肢放散痛、間欠性跛行、下肢しびれを認め、不良姿勢が持続していた。術後は疼痛および間欠性跛行は消失したが、下肢しびれは軽度残存し、不良姿勢も改善しなかったため、術後1か月より理学療法を開始した。
【評価とリーズニング】
2026年3月に初回介入を実施した。関節可動域(右/左)は股関節伸展15°/5°、SLR60°/50°、体幹屈曲30°・伸展20°・側屈20°/30°・回旋20°/30°であった。立位姿勢では体幹屈曲、左側屈・左回旋、腰椎前弯、左股関節屈曲、右重心が認められ、足外側から足趾へのしびれも軽度残存していた。術前より疼痛や神経症状を回避する姿勢・動作を長期間繰り返したことで、軟部組織の短縮および柔軟性低下が生じ、術後も可動域制限や不良姿勢が残存したと考えた。そのため、姿勢改善には短縮した軟部組織の柔軟性改善が必要であると推察した。
【介入内容と結果】
週1回、関節可動域の確認、ストレッチ、セルフストレッチ指導、鏡を用いた姿勢調整を実施した。ストレッチは股関節伸展、SLR、体幹回旋・側屈を対象とし、自宅では20~30秒保持を3~5回、1日2回実施するよう指導した。介入開始1か月後、股関節伸展20°/20°、SLR75°/70°、体幹屈曲40°・伸展30°・側屈35°/40°・回旋35°/40°まで改善した。立位では体幹屈曲および過度な腰椎前弯が軽減し、股関節屈曲位と左右への重心偏位も改善した。一方、体幹の左側屈・左回旋は軽度残存した。日常生活への不安も軽減し、計4回の介入で終了した。
【考察】
腰部脊柱管狭窄症術後は神経症状や疼痛の改善が期待される一方、術前から形成された不良姿勢や軟部組織の短縮は術後も残存することがある。本症例では疼痛は消失したにもかかわらず不良姿勢が残存したことから、神経症状だけでなく柔軟性低下が姿勢異常の一因であったと考えられた。関節可動域制限に対するストレッチ指導により柔軟性が改善し、それに伴い姿勢も改善したことから、術後早期に運動機能障害を評価し、適切なセルフストレッチを指導することは、不良姿勢の改善および機能回復を促進する一助となる可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本報告はヘルシンキ宣言に基づき、対象者に発表の趣旨を十分説明し、書面による同意を得た。また、個人情報保護に十分配慮し、個人が特定されないよう匿名化して報告した。
