講演情報
[JO1-03]ラット足関節背屈可動域測定における二次元動作解析の妥当性-三次元動作解析との一致性の検討-
*池尾 諒真1,2、佐藤 勇太3、菅原 昌浩1、梛 千磨1,4、小野 武也1,3 (1. 県立広島大学大学院 総合学術研究科 生命システム科学専攻、2. 県立安芸津病院 リハビリテーション科、3. 県立広島大学 保健福祉学部 保健福祉学科 、4. 大阪保健医療大学 保健医療学部 リハビリテーション学科)
キーワード:
ラット、関節可動域測定、Bland-Altman分析
【はじめに、目的】
関節可動域測定は、機能障害の評価や治療効果の判定に不可欠であり、ヒトだけでなく動物実験においても用いられている。動作中の関節可動域測定は、二次元動作(2D)解析と三次元動作(3D)解析がある。3D解析は、高精度に関節角度を測定可能だが特殊な機器や測定環境が必要となる。一方で、2D解析は簡便に測定可能だが、測定対象の運動が撮影面から外れる場合には測定精度が低下する可能性が報告されている。動物実験の関節可動域測定では、2D解析と3D解析による方法があるが、簡便に測定可能である2D解析が3D解析と同等の測定値を示すか否かは明らかでない。そこで本研究では、ラット足関節背屈可動域測定における2D解析の妥当性を検討するため、3D解析との一致性を検討した。
【方法】
対象は10週齢のWistar系雄ラット12匹とした。足関節背屈可動域の指標は、腓骨頭、外果、第5中足骨に貼付した反射マーカーにおける3点のなす角とした。測定肢位は先行研究に従って側臥位とし、膝関節を最大屈曲位で固定器へ固定するとともに、後肢を板上に保持した。足関節背屈可動域測定は、デジタルテンションメーターを用いて外果より約2 cm遠位の中足骨部に背屈方向への力を加え、その過程を上方から1台の二次元カメラおよび周囲6台の赤外線カメラで同時に撮影した。次に、撮影動画から0.3 Nの背屈矯正力が加わった瞬間の画像を抽出し、2D解析では画像解析ソフト(Image J)、3D解析ではVicon ProCalcにより3点のなす角を算出した。両測定結果の一致性はBland-Altman分析により、平均差、95%一致限界(LoA)、固定誤差および比例誤差を検討し、Bland-Altman plotを作成した。
【結果】
足関節背屈可動域は、2D解析で34.2±3.4°、3D解析で33.6±3.2°であった。平均差は0.6±2.5°であり、固定誤差および比例誤差は認められなかった。LoAは−4.2°から5.4°であり、Bland-Altman plotではすべての測定値がLoA内に分布していた。
【結論】
本研究のラット足関節背屈可動域測定における2D解析と3D解析の平均差は小さく、固定誤差および比例誤差も認められなかった。また、本研究の平均差は、ヒトを対象とした矢状面上の動作における2D解析と3D解析の平均差に関する先行研究と比較して小さい値であり、すべての測定値がLoA内に分布していたことから良好な一致性を示した。この要因として、固定器具により後肢の内転や回旋が抑制され、足関節背屈運動を平面上の運動として捉えやすくなったことが関与した可能性がある。以上より、固定器具を用いた2D解析は3D解析と良好な一致性を示し、ラット足関節背屈可動域測定における簡便かつ有用な測定法である可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は、県立広島大学動物実験委員会の承認を得て実施した(倫理番号:第21A-004-1号)。
関節可動域測定は、機能障害の評価や治療効果の判定に不可欠であり、ヒトだけでなく動物実験においても用いられている。動作中の関節可動域測定は、二次元動作(2D)解析と三次元動作(3D)解析がある。3D解析は、高精度に関節角度を測定可能だが特殊な機器や測定環境が必要となる。一方で、2D解析は簡便に測定可能だが、測定対象の運動が撮影面から外れる場合には測定精度が低下する可能性が報告されている。動物実験の関節可動域測定では、2D解析と3D解析による方法があるが、簡便に測定可能である2D解析が3D解析と同等の測定値を示すか否かは明らかでない。そこで本研究では、ラット足関節背屈可動域測定における2D解析の妥当性を検討するため、3D解析との一致性を検討した。
【方法】
対象は10週齢のWistar系雄ラット12匹とした。足関節背屈可動域の指標は、腓骨頭、外果、第5中足骨に貼付した反射マーカーにおける3点のなす角とした。測定肢位は先行研究に従って側臥位とし、膝関節を最大屈曲位で固定器へ固定するとともに、後肢を板上に保持した。足関節背屈可動域測定は、デジタルテンションメーターを用いて外果より約2 cm遠位の中足骨部に背屈方向への力を加え、その過程を上方から1台の二次元カメラおよび周囲6台の赤外線カメラで同時に撮影した。次に、撮影動画から0.3 Nの背屈矯正力が加わった瞬間の画像を抽出し、2D解析では画像解析ソフト(Image J)、3D解析ではVicon ProCalcにより3点のなす角を算出した。両測定結果の一致性はBland-Altman分析により、平均差、95%一致限界(LoA)、固定誤差および比例誤差を検討し、Bland-Altman plotを作成した。
【結果】
足関節背屈可動域は、2D解析で34.2±3.4°、3D解析で33.6±3.2°であった。平均差は0.6±2.5°であり、固定誤差および比例誤差は認められなかった。LoAは−4.2°から5.4°であり、Bland-Altman plotではすべての測定値がLoA内に分布していた。
【結論】
本研究のラット足関節背屈可動域測定における2D解析と3D解析の平均差は小さく、固定誤差および比例誤差も認められなかった。また、本研究の平均差は、ヒトを対象とした矢状面上の動作における2D解析と3D解析の平均差に関する先行研究と比較して小さい値であり、すべての測定値がLoA内に分布していたことから良好な一致性を示した。この要因として、固定器具により後肢の内転や回旋が抑制され、足関節背屈運動を平面上の運動として捉えやすくなったことが関与した可能性がある。以上より、固定器具を用いた2D解析は3D解析と良好な一致性を示し、ラット足関節背屈可動域測定における簡便かつ有用な測定法である可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は、県立広島大学動物実験委員会の承認を得て実施した(倫理番号:第21A-004-1号)。
