講演情報
[JO1-05]慢性腰痛者における体幹前屈時の腰椎角度および運動円滑性と腰部脊柱起立筋特性の関係
*代田 翔梧1、西村 卓朗1、齋藤 杏美1、松田 恵大1、山本 美華1、吉野 友菜1、割出 早稀1、宮地 諒1 (1. 北陸大学)
キーワード:
慢性腰痛、腰椎運動、筋特性
【はじめに、目的】
慢性腰痛者は,疼痛など影響により腰椎運動が変化することが知られている.腰椎運動の評価は,腰椎角度のような量的指標に加え,運動の円滑性などの動作の質的要素にも着目する必要がある.これらの腰椎運動の変化には腰部脊柱起立筋(LES)の特性が関与すると考えられるが,腰椎角度や腰椎運動の円滑性がLESの筋活動や筋硬度などの筋特性とどのように関連するのかは明らかでない.したがって,本研究は,慢性腰痛者における体幹前屈時の腰椎角度および腰椎運動の円滑性に関連するLESの特性を明らかにすることを目的とした.
【方法】
対象は,3ヵ月以上持続する慢性腰痛を有する大学生31名(男性16名,女性15名,年齢19.8±0.9歳)とした.測定項目は,立位腰椎アライメント,体幹前屈運時の腰椎最大屈曲角度,腰椎運動の円滑性,LESの筋活動および筋硬度,腰痛の程度とした.立位腰椎アライメントは,安静立位にて傾斜計を用いて第1腰椎と第1仙椎の傾斜角度から算出した.体幹前屈時の腰椎最大屈曲角度は,慣性センサ(AMWS020,ATR-Promotions)を第1腰椎と第1仙椎に設置し,両センサから得られた角速度情報を用いて算出した.また,腰椎運動の円滑性の指標として,Angular Jerk Cost(AJC)の平均値を算出した.LESの筋活動は,体幹前屈課題中に表面筋電計(TS-MYO,トランクソリューション株式会社)を用いて計測した.電極は第4腰椎高位の左右最長筋上に配置し,屈曲相と停止相の筋活動比を算出した.LESの筋硬度は,Shear Wave Elastography機能を搭載した超音波画像診断装置(LOGIQ P10,GE Healthcare)を用いて測定した.6–15 MHzのリニアプローブを使用し,腹臥位にて第4腰椎高位の左右最長筋の長軸像を撮像し,関心領域内の弾性率を測定した.腰痛の程度はNumerical Rating Scale(NRS)を用いて評価した.
統計解析は,重回帰分析(強制投入法)を用いた.従属変数は,体幹前屈時の最大屈曲角度およびAJCとした.説明変数には,立位腰椎アライメント,LESの筋活動,LESの筋硬度,NRSおよびBMIを投入した.
【結果】
体幹前屈時の腰椎最大屈曲角度において,LESの筋活動(β=0.294, p=0.035),BMI(β=0.760, p<0.001),NRS(β=0.358, p=0.015)は有意な正の関連がみられた.一方,LESの筋硬度は有意な負の関連がみられた(β=-0.369, p=0.009).
AJCにおいては,立位腰椎アライメントのみ有意な正の関連がみられた(β=0.545, p=0.002)
【結論】
慢性腰痛者において,体幹前屈時の腰椎最大屈曲角度は,LESの筋活動,LESの筋硬度と関連していた.特に,LESの筋硬度が高い者ほど,腰椎最大屈曲角度が小さいことが示された.また,AJCには立位腰椎アライメントが関連しており,立位姿勢における腰椎アライメントが体幹前屈時の腰椎運動の円滑性に関与する可能性が示された.
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は,対象者に事前に研究の目的,内容などを十分に説明し,参加の同意署名を得た上で実施した.本研究は,北陸大学倫理委員会の承認を得て行った(承認番号:2025-18).
慢性腰痛者は,疼痛など影響により腰椎運動が変化することが知られている.腰椎運動の評価は,腰椎角度のような量的指標に加え,運動の円滑性などの動作の質的要素にも着目する必要がある.これらの腰椎運動の変化には腰部脊柱起立筋(LES)の特性が関与すると考えられるが,腰椎角度や腰椎運動の円滑性がLESの筋活動や筋硬度などの筋特性とどのように関連するのかは明らかでない.したがって,本研究は,慢性腰痛者における体幹前屈時の腰椎角度および腰椎運動の円滑性に関連するLESの特性を明らかにすることを目的とした.
【方法】
対象は,3ヵ月以上持続する慢性腰痛を有する大学生31名(男性16名,女性15名,年齢19.8±0.9歳)とした.測定項目は,立位腰椎アライメント,体幹前屈運時の腰椎最大屈曲角度,腰椎運動の円滑性,LESの筋活動および筋硬度,腰痛の程度とした.立位腰椎アライメントは,安静立位にて傾斜計を用いて第1腰椎と第1仙椎の傾斜角度から算出した.体幹前屈時の腰椎最大屈曲角度は,慣性センサ(AMWS020,ATR-Promotions)を第1腰椎と第1仙椎に設置し,両センサから得られた角速度情報を用いて算出した.また,腰椎運動の円滑性の指標として,Angular Jerk Cost(AJC)の平均値を算出した.LESの筋活動は,体幹前屈課題中に表面筋電計(TS-MYO,トランクソリューション株式会社)を用いて計測した.電極は第4腰椎高位の左右最長筋上に配置し,屈曲相と停止相の筋活動比を算出した.LESの筋硬度は,Shear Wave Elastography機能を搭載した超音波画像診断装置(LOGIQ P10,GE Healthcare)を用いて測定した.6–15 MHzのリニアプローブを使用し,腹臥位にて第4腰椎高位の左右最長筋の長軸像を撮像し,関心領域内の弾性率を測定した.腰痛の程度はNumerical Rating Scale(NRS)を用いて評価した.
統計解析は,重回帰分析(強制投入法)を用いた.従属変数は,体幹前屈時の最大屈曲角度およびAJCとした.説明変数には,立位腰椎アライメント,LESの筋活動,LESの筋硬度,NRSおよびBMIを投入した.
【結果】
体幹前屈時の腰椎最大屈曲角度において,LESの筋活動(β=0.294, p=0.035),BMI(β=0.760, p<0.001),NRS(β=0.358, p=0.015)は有意な正の関連がみられた.一方,LESの筋硬度は有意な負の関連がみられた(β=-0.369, p=0.009).
AJCにおいては,立位腰椎アライメントのみ有意な正の関連がみられた(β=0.545, p=0.002)
【結論】
慢性腰痛者において,体幹前屈時の腰椎最大屈曲角度は,LESの筋活動,LESの筋硬度と関連していた.特に,LESの筋硬度が高い者ほど,腰椎最大屈曲角度が小さいことが示された.また,AJCには立位腰椎アライメントが関連しており,立位姿勢における腰椎アライメントが体幹前屈時の腰椎運動の円滑性に関与する可能性が示された.
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は,対象者に事前に研究の目的,内容などを十分に説明し,参加の同意署名を得た上で実施した.本研究は,北陸大学倫理委員会の承認を得て行った(承認番号:2025-18).
