講演情報
[JO3-02]スマートフォンアプリケーションを活用した足関節底背屈関節可動域テストの妥当性と信頼性
*天野 徹哉1、縣 信秀2、山本 武1 (1. 常葉大学、2. 愛知淑徳大学)
キーワード:
最小可検変化量、測定誤差、解釈可能性
【はじめに】
スマートフォンアプリケーション(アプリ)を活用した関節可動域(ROM)テストは測定値の視認性に優れ,機器の操作が簡略化されることによって代償動作の抑制に注力できるといった利点がある。一方で,アプリを用いたROMテストの先行研究は国外での報告が多く,わが国で実施されている標準的な測定法(基本軸・移動軸・測定肢位)で検討されていないのが現状である。本研究では日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会および日本足の外科学会(3学会)の測定法に準じて,アプリを活用した足関節底背屈ROMテストの妥当性と信頼性を検討し,その有用性を明らかにすることを目的とした。
【方法】
2025年11月~2026年6月の間に教育機関にて参加者を募集した。取込基準は20歳以上の健常者とし,除外基準は足関節に痛みが認められる者・過去6ヶ月以内に足関節の既往歴(手術や外傷など)がある者とした。研究デザインは記述的研究であり,検者は理学療法士5名とした。ROMテストは3学会の測定法に準じ,iPhone SEの計測アプリの水準器と東大式角度計を用いて1度刻みで記録した。アプリと角度計のROMテストの測定回数は各2回とし,同一被検者に対する測定はすべて同日に実施した。統計解析は,ピアソンの相関係数を用いて併存的妥当性を検討した。加えて,級内相関係数(ICC)を用いて検者内信頼性を求め,Bland-Altman分析を用いて系統誤差の有無を確認して誤差の範囲を推定した。
【結果】
本研究には63名が参加し,対象者の両足126肢についてデータ解析を行った。ピアソンの相関係数は底屈0.77・背屈0.71であり(p<0.01),アプリによるROMテストは角度計との併存的妥当性が認められた。また,アプリのICC(1,1)は底屈0.96・背屈0.92,角度計のICC(1,1)は底屈0.92・背屈0.89であった。本研究におけるROMテストのICC(1,1)は0.80以上であったことから,1回の測定において高い再現性が示された。さらに,アプリと角度計のROMテストは共に固定誤差と比例誤差が認められなかったため(p≧0.05),誤差の範囲として最小可検変化量(MDC)を算出した。その結果,アプリのMDC95は底屈5.7度・背屈4.9度,角度計のMDC95は底屈6.7度・背屈5.8度であった。
【結論】
併存的妥当性と再現性が認められたことから,本研究におけるROMテストの実用性が明らかになった。本研究の結果より,アプリを活用したROMテストの初期評価と再評価において底屈±6度以上・背屈±5度以上の角度差を記録した場合に,測定誤差を超えた変化であると解釈することができる。アプリを活用した足関節底背屈ROMテストの測定誤差は,角度計の測定誤差より低値であったため,評価法として有用であることが示された。
【倫理的配慮】
所属施設における研究倫理委員会の承認後,本研究を実施した(承認番号:2024-513H)。対象者には書面および口頭にて本研究に関する説明を行い,書面による同意を得た。
スマートフォンアプリケーション(アプリ)を活用した関節可動域(ROM)テストは測定値の視認性に優れ,機器の操作が簡略化されることによって代償動作の抑制に注力できるといった利点がある。一方で,アプリを用いたROMテストの先行研究は国外での報告が多く,わが国で実施されている標準的な測定法(基本軸・移動軸・測定肢位)で検討されていないのが現状である。本研究では日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会および日本足の外科学会(3学会)の測定法に準じて,アプリを活用した足関節底背屈ROMテストの妥当性と信頼性を検討し,その有用性を明らかにすることを目的とした。
【方法】
2025年11月~2026年6月の間に教育機関にて参加者を募集した。取込基準は20歳以上の健常者とし,除外基準は足関節に痛みが認められる者・過去6ヶ月以内に足関節の既往歴(手術や外傷など)がある者とした。研究デザインは記述的研究であり,検者は理学療法士5名とした。ROMテストは3学会の測定法に準じ,iPhone SEの計測アプリの水準器と東大式角度計を用いて1度刻みで記録した。アプリと角度計のROMテストの測定回数は各2回とし,同一被検者に対する測定はすべて同日に実施した。統計解析は,ピアソンの相関係数を用いて併存的妥当性を検討した。加えて,級内相関係数(ICC)を用いて検者内信頼性を求め,Bland-Altman分析を用いて系統誤差の有無を確認して誤差の範囲を推定した。
【結果】
本研究には63名が参加し,対象者の両足126肢についてデータ解析を行った。ピアソンの相関係数は底屈0.77・背屈0.71であり(p<0.01),アプリによるROMテストは角度計との併存的妥当性が認められた。また,アプリのICC(1,1)は底屈0.96・背屈0.92,角度計のICC(1,1)は底屈0.92・背屈0.89であった。本研究におけるROMテストのICC(1,1)は0.80以上であったことから,1回の測定において高い再現性が示された。さらに,アプリと角度計のROMテストは共に固定誤差と比例誤差が認められなかったため(p≧0.05),誤差の範囲として最小可検変化量(MDC)を算出した。その結果,アプリのMDC95は底屈5.7度・背屈4.9度,角度計のMDC95は底屈6.7度・背屈5.8度であった。
【結論】
併存的妥当性と再現性が認められたことから,本研究におけるROMテストの実用性が明らかになった。本研究の結果より,アプリを活用したROMテストの初期評価と再評価において底屈±6度以上・背屈±5度以上の角度差を記録した場合に,測定誤差を超えた変化であると解釈することができる。アプリを活用した足関節底背屈ROMテストの測定誤差は,角度計の測定誤差より低値であったため,評価法として有用であることが示された。
【倫理的配慮】
所属施設における研究倫理委員会の承認後,本研究を実施した(承認番号:2024-513H)。対象者には書面および口頭にて本研究に関する説明を行い,書面による同意を得た。
