講演情報

[KO1-01]京都府北部圏域と南部圏域における施設間連携の実態調査
〜webアンケートを用いた圏域間比較〜

*古川 博章1、夜久 賢治2、上西 直3、八木 大貴4、坂根 勇輝5、棚田 万理6、塩見 潤7、湧田 啓介8、吉川 潤9、山﨑 岳志10、山元 顕太11、田後 裕之12 (1. 訪問看護ステーションほっぷ、2. 京都協立病院 リハビリテーション課、3. 介護老人保健施設 アザレア舞鶴、4. ZEN-Shin、5. 丹後中央病院 リハビリテーション部、6. 介護老人保健施設やましろ、7. 綾部ルネス病院 リハビリテーション科、8. 市立福知山市民病院 リハビリテーション科、9. 宇治脳卒中リハビリテーション病院、10. 京都橘大学 健康科学部 理学療法学科、11. 丹後保健所 保健課、12. 京都岡本記念病院 リハビリテーション部)

キーワード:

施設間連携、アンケート、圏域間比較

【はじめに,目的】中丹西・中丹東・丹後圏域(以下,北部)は全ての病期を担う法人が少なく,患者が複数施設を利用する場合があり他施設との連携が求められる.京都府リハビリテーション三療法士会協議会では,2019年から北部における連携推進事業として研修を実施しており,2025年度より活動範囲を山城北・山城南圏域(以下,南部)にも拡大することとなった.しかし,各圏域における他施設間連携に関する報告はなく,圏域ごとの連携状況は不明である.そこで,本調査では各圏域における施設間連携の意識調査を行い,現状把握と今後の事業立案や連携推進に役立てることを目的とした.【方法】北部・南部圏域に勤務する理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)を対象にwebアンケート調査を実施した.調査は2026年2月10日から3月30日に実施し,Google Formsで作成したアンケートURLを各施設代表者宛に郵送(北部79通,南部133通)した.質問は,①基本属性(職種・経験年数・勤務領域),②他施設間の連携状況(連携状況・直接連絡経験・近隣スタッフの把握状況・情報提供の満足度など),③連携に関する意識(「顔の見える関係」の有益性・活動への参加意向など)など全25項目で構成した.統計解析はIBM SPSS Statistics Ver. 30を使用しχ²検定またはFisherの正確確率検定を用いた.効果量はCramer's Vを算出した.多重比較の補正にはBenjamini–Hochberg法を用いた偽発見率(False Discovery Rate: FDR)補正を適用し,補正後q値<0.05を有意水準とした.【結果】有効回答数は248(北部130,南部118)だった.職種はPT158名(63.7%),OT73名(29.4%),ST17名(6.9%)で,南部は回復期が多く(33.9%),北部は急性期が多かった(31.5%).FDR補正後に有意差を認めたのは4項目で,①直接連絡経験「あり」(北部73.2%・南部52.7%,p=.001,V=.213),②他施設との連携状況「ほとんどできていない」(南部19.1%・北部4.7%,p=.011,V=.234),③スタッフ把握「ある程度把握」(北部31.5%・南部11.8%,p=.002,V=.266),④情報提供満足(北部47.2%・南部27.3%,p=.002,V=.272)だった.また,両圏域とも「顔の見える関係は有益」との回答は90%以上だった.臨床経験10年以下で「他施設との連携の始め方がわからない」と回答した割合は南部71%,北部58%だった.【結論】北部は南部に比較して他施設との情報共有は直接連絡する傾向があり,連絡経験の蓄積や北部の様々な取り組みが,近隣スタッフの把握や情報提供の満足度に寄与した可能性が示唆された.一方で,両圏域とも顔の見える関係の有益性を認識しているものの連携の始め方がわからない層があり,各圏域の特徴を踏まえた事業立案が必要である.【倫理的配慮、説明と同意】調査案内文に目的・方法および学会等での公表について明示し,回答をもって調査参加への同意とみなした.