講演情報
[KO2-02]バレエダンサーの大腿方形筋インピンジメントによる殿部痛
*松本 裕司1、田巻 達也2、團野 翼1、渡辺 稜甫1、佐々木 拓馬1、為沢 一弘1、高田 ゆい1 (1. なか整形外科 リハビリテーション科、2. なか整形外科 整形外科)
キーワード:
大腿方形筋インピンジメント、エコー動態評価、殿部痛
【症例紹介】
クラッシックバレエを行う20歳代女性である。4ヶ月前よりバレエダンス時のパッセにて殿部痛を発症した。他院にて加療するも症状の改善が得られず、ダンス中のみならず座位痛(安静時痛)まで生じるようになり、1ヶ月前にリハビリ目的に当院を受診しリハビリ開始となった。
【評価スクリーニング】
疼痛動作は、バレエ時のパッセ(股関節外転外旋運動)である。股関節可動域は、全て参考可動域以上であった。腰椎疾患、所見も認められず、仙腸関節ストレステストは全て陰性であった。FABERテスト、股関節外転伸展運動のみ再現痛として得られた。圧痛は、坐骨結節の外側にて大腿方形筋部に認め、伸張、収縮時痛も認められた。そのため、超音波画像診断装置(エコー)にて、疼痛再現動作である股関節外転外旋動作(FABER position)ならびに股関節外旋動作時の大腿方形筋部を中心に動態評価を行なったところ、大腿骨大転子後方部と坐骨結節外側部の間で大腿方形筋が挟まれる動態と再現痛が得られた。以上より、疼痛組織は大腿方形筋と考え、骨性の問題ではなく大腿方形筋の柔軟性、坐骨神経から分岐する大腿方形筋への筋枝の問題による可能性が考えられた。
【介入内容と結果】
理学療法は、まず安静を目的に大腿方形筋に疼痛が生じないように動作指導を行った。その上で、エコーガイド下での徒手的に大腿方形筋のリラクセーションならびに収縮の誘導、坐骨神経から大腿方形筋への筋枝の滑走を促すように行なった。結果、エコー動態評価において大腿方形筋のインピンジメントは改善され、併せて疼痛なくパッセが可能となった。
【考察】
股関節後方に生じるインピンジメント症候群による殿部痛の報告は散見される。なかでも大腿方形筋インピンジメントは、小転子―坐骨結節間で生じる病態として報告されているが、その評価はMRIなどの静止画像によるものがほとんどであり、リアルタイムな動態評価を行った報告は、われわれが渉猟し得た限り見当たらなかった。本症例では、疼痛再現動作、理学所見、さらにエコーを用いた動態評価を統合することで、従来報告とは異なる大転子後方部と坐骨結節外側部の間で大腿方形筋がインピンジメントを生じる病態を捉えることができた。これらの所見から、本症例の殿部痛は同部位における大腿方形筋のインピンジメントに起因したものと考えられた。
【倫理的配慮、説明と同意】
本学会での報告に際し、本症例に説明と同意を得ている。
クラッシックバレエを行う20歳代女性である。4ヶ月前よりバレエダンス時のパッセにて殿部痛を発症した。他院にて加療するも症状の改善が得られず、ダンス中のみならず座位痛(安静時痛)まで生じるようになり、1ヶ月前にリハビリ目的に当院を受診しリハビリ開始となった。
【評価スクリーニング】
疼痛動作は、バレエ時のパッセ(股関節外転外旋運動)である。股関節可動域は、全て参考可動域以上であった。腰椎疾患、所見も認められず、仙腸関節ストレステストは全て陰性であった。FABERテスト、股関節外転伸展運動のみ再現痛として得られた。圧痛は、坐骨結節の外側にて大腿方形筋部に認め、伸張、収縮時痛も認められた。そのため、超音波画像診断装置(エコー)にて、疼痛再現動作である股関節外転外旋動作(FABER position)ならびに股関節外旋動作時の大腿方形筋部を中心に動態評価を行なったところ、大腿骨大転子後方部と坐骨結節外側部の間で大腿方形筋が挟まれる動態と再現痛が得られた。以上より、疼痛組織は大腿方形筋と考え、骨性の問題ではなく大腿方形筋の柔軟性、坐骨神経から分岐する大腿方形筋への筋枝の問題による可能性が考えられた。
【介入内容と結果】
理学療法は、まず安静を目的に大腿方形筋に疼痛が生じないように動作指導を行った。その上で、エコーガイド下での徒手的に大腿方形筋のリラクセーションならびに収縮の誘導、坐骨神経から大腿方形筋への筋枝の滑走を促すように行なった。結果、エコー動態評価において大腿方形筋のインピンジメントは改善され、併せて疼痛なくパッセが可能となった。
【考察】
股関節後方に生じるインピンジメント症候群による殿部痛の報告は散見される。なかでも大腿方形筋インピンジメントは、小転子―坐骨結節間で生じる病態として報告されているが、その評価はMRIなどの静止画像によるものがほとんどであり、リアルタイムな動態評価を行った報告は、われわれが渉猟し得た限り見当たらなかった。本症例では、疼痛再現動作、理学所見、さらにエコーを用いた動態評価を統合することで、従来報告とは異なる大転子後方部と坐骨結節外側部の間で大腿方形筋がインピンジメントを生じる病態を捉えることができた。これらの所見から、本症例の殿部痛は同部位における大腿方形筋のインピンジメントに起因したものと考えられた。
【倫理的配慮、説明と同意】
本学会での報告に際し、本症例に説明と同意を得ている。
