講演情報
[KO4-01]脳梗塞後、早期に病棟ADL反映にて、運動学習強化に繋がった1症例
*興梠 真奈1、新野 純基1、児玉 直俊1 (1. 京都大原記念病院)
キーワード:
小脳梗塞、運動学習、病棟ADL反映
【症例紹介】
60歳代女性。X/Y/Zに自宅で突然の呼吸困難、背部痛がみられ、Z+20日に右小脳梗塞の診断。Z+52日に当院へ入院。入院前ADLは自立、就寝は布団を使用。
【評価とリーズニング】
初期評価(Z+52日)FIM運動項目26/91点(移乗:3点、歩行:1点)、認知項目22/35点、ROM(右/左)足背屈-5/10、BBS:20/56点で立位バランス時の足関節戦略が不十分であり、バランス能力の低下を認めた。FACT11/20点、TUG・10m歩行検査実施困難。MMSE:22/30点で時間の見当識障害、遅延再生が困難であり、訓練時のフィードバックに対しての理解・保持が困難であった。
【介入内容と結果】
介入期間(Z+52日→Z+118日)Z+52日の移動形態は車椅子護送で実施していたが、Z+61日に日中病棟内の移動を馬蹄型歩行器歩行見守りへと変更した。その際、安全管理の為、移動時の注意点を紙面などで提示する等の環境調整を行った。Z+65日に馬蹄型歩行器歩行自立に変更した。並行して訓練内で杖歩行練習を開始した。Z+96日に病棟内移動を杖歩行見守りに変更した。移動形態の向上に伴い右足関節の背屈制限、バランス能力低下の代償として、歩行時に足部周囲筋の筋緊張の亢進を認めた。クリアランス確保を目的とした装具療法を検討するが、運動性の阻害因子となった。しかし、認知機能の向上を認め、歩行訓練時等の足関節戦略の学習強化目的での意識的なコントロールと適切なフィードバックの入力が可能となった。結果、FIM運動項目26→84、認知項目22→34、BBS:20→46点、FACT:11→20点、TUG(→杖使用):右困難→12.34秒、左困難→13.03秒、10m歩行(→杖使用):困難→13.2秒、MMSE:22→24点と向上を認め、最終、床上動作や杖歩行自立など自宅生活を安全に過ごせる能力まで向上した。
【考察】
小脳梗塞の介入としては、姿勢や動作の安定性向上、バランス機能の改善、運動学習強化を目的とした反復した運動療法、固有受容感覚に対しての重錘負荷、弾性緊迫帯を利用することが一般的である。又、運動学習強化を行うためには、認知相、連合相、自動化相の3段階に分けて学習することが推奨されている。本症例は介入当初、認知相の課題があった為に、病棟と連携し、早期の病棟ADLの向上に着手し、連合相・自動化相に対して学習強化を促した。その結果、早期の病棟ADL向上に繋がり、訓練内でも更なる難易度の向上を図る事ができたと考える。又、認知面の向上に合わせて、再度認知相に対しても適切なフィードバックを入力しながら、体幹部の賦活、バランス練習、在宅生活を想定した反復した運動療法等を実施する事が可能となり、更なる運動学習の強化が図れたと共に、自宅生活に必要な動作獲得に繋がったと考える。
【倫理的配慮、説明と同意】
対象者に個人情報の取り扱い及び院外発表について口頭・書面で同意を得た。発表については当院倫理委員会にて承認を得た。
60歳代女性。X/Y/Zに自宅で突然の呼吸困難、背部痛がみられ、Z+20日に右小脳梗塞の診断。Z+52日に当院へ入院。入院前ADLは自立、就寝は布団を使用。
【評価とリーズニング】
初期評価(Z+52日)FIM運動項目26/91点(移乗:3点、歩行:1点)、認知項目22/35点、ROM(右/左)足背屈-5/10、BBS:20/56点で立位バランス時の足関節戦略が不十分であり、バランス能力の低下を認めた。FACT11/20点、TUG・10m歩行検査実施困難。MMSE:22/30点で時間の見当識障害、遅延再生が困難であり、訓練時のフィードバックに対しての理解・保持が困難であった。
【介入内容と結果】
介入期間(Z+52日→Z+118日)Z+52日の移動形態は車椅子護送で実施していたが、Z+61日に日中病棟内の移動を馬蹄型歩行器歩行見守りへと変更した。その際、安全管理の為、移動時の注意点を紙面などで提示する等の環境調整を行った。Z+65日に馬蹄型歩行器歩行自立に変更した。並行して訓練内で杖歩行練習を開始した。Z+96日に病棟内移動を杖歩行見守りに変更した。移動形態の向上に伴い右足関節の背屈制限、バランス能力低下の代償として、歩行時に足部周囲筋の筋緊張の亢進を認めた。クリアランス確保を目的とした装具療法を検討するが、運動性の阻害因子となった。しかし、認知機能の向上を認め、歩行訓練時等の足関節戦略の学習強化目的での意識的なコントロールと適切なフィードバックの入力が可能となった。結果、FIM運動項目26→84、認知項目22→34、BBS:20→46点、FACT:11→20点、TUG(→杖使用):右困難→12.34秒、左困難→13.03秒、10m歩行(→杖使用):困難→13.2秒、MMSE:22→24点と向上を認め、最終、床上動作や杖歩行自立など自宅生活を安全に過ごせる能力まで向上した。
【考察】
小脳梗塞の介入としては、姿勢や動作の安定性向上、バランス機能の改善、運動学習強化を目的とした反復した運動療法、固有受容感覚に対しての重錘負荷、弾性緊迫帯を利用することが一般的である。又、運動学習強化を行うためには、認知相、連合相、自動化相の3段階に分けて学習することが推奨されている。本症例は介入当初、認知相の課題があった為に、病棟と連携し、早期の病棟ADLの向上に着手し、連合相・自動化相に対して学習強化を促した。その結果、早期の病棟ADL向上に繋がり、訓練内でも更なる難易度の向上を図る事ができたと考える。又、認知面の向上に合わせて、再度認知相に対しても適切なフィードバックを入力しながら、体幹部の賦活、バランス練習、在宅生活を想定した反復した運動療法等を実施する事が可能となり、更なる運動学習の強化が図れたと共に、自宅生活に必要な動作獲得に繋がったと考える。
【倫理的配慮、説明と同意】
対象者に個人情報の取り扱い及び院外発表について口頭・書面で同意を得た。発表については当院倫理委員会にて承認を得た。
