講演情報
[KO5-01]特別支援教育における外部専門家の理学療法士と学校教員との連携の構造
―連携のしやすさと課題に着目して―
*畑 翔太1,2 (1. 京都府立八幡支援学校、2. 佛教大学大学院)
キーワード:
特別支援教育、外部専門家、専門職連携
【はじめに、目的】
近年、障害の重度化・重複化、多様化を背景として、特別支援教育において理学療法士(以下、PTと記す)、作業療法士、言語聴覚士等の専門家の活用や関係機関との連携の必要性が指摘されている。その中で、病院や療育施設等に勤務する外部専門家のPTは、学校教育に医学的な立場から専門的な助言を行う存在として期待されている。一方、先行研究では、連携に関する課題として、事前調整や目的共有の不十分さ、教員の受け身的な関わりなどが指摘されてきた。また、こうした課題への対応として、学校と専門職をつなぐコーディネーターの必要性も示されてきたが、連携の構造を諸要素の相互関係から明らかにした研究は、いまだ十分ではない。そこで本研究では、外部専門家として特別支援教育に関わるPTに半構造化インタビューを実施し、学校教員との連携におけるしやすさと課題を整理するとともに、連携の構造を検討することを目的とした。
【方法】
病院、療育施設、放課後等デイサービス等に勤務し、学校と連携しているPT9名を対象に、2025年8月〜2026年1月にZoomによる半構造化インタビューを実施した。質問項目は、学校との連携経験、頻度・形態、具体的内容、しやすさの要因、困難や課題、工夫や対処等である。連携のしやすさと課題に関する語りを逐語録から抽出し、KJ法による質的分析を行った。
【結果】
外部専門家のPTが学校教育に関わる際の連携のしやすさと課題として、118枚(しやすさ42枚、課題76枚)のラベルが抽出された。そして、外部専門家のPTと学校教員との連携におけるしやすさと課題は、【学校の制度・仕組み】【教員】【保護者と学校との関係】【特別支援学校で勤務しているPT(学校PT)】【連携】【外部専門家のPTや勤務する施設】【児童生徒の状況】という観点から構成されていた。これらは、連携を支える基盤、連携を継続的な実践へとつなぐ仲介的役割、連携を開始・促進する条件という3つのまとまりとして整理できた。
【結論】
外部専門家のPTと学校教員との連携は、学校教員がPTの助言を一方向的に受け取る関係ではなく、学校の制度・仕組みや教員の協働的な姿勢に支えられた基盤の上に、学校PT等の仲介的役割を通して、相互理解や目標共有を可能にする条件が加わることで、継続的な実践へとつながる構造が整理された。したがって、外部専門家のPTと学校教員との連携は、個別的・断片的な工夫としてではなく、学校内外の諸要素の関係の中で成立する構造として捉える必要があることが示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は佛教大学「人を対象とする研究」倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号2025-31-A)。対象者には、研究の意義・目的・方法、データの取り扱い、結果公表、同意撤回の方法について口頭および書面で説明し、自由意思による同意書への署名を得た。分析および記述にあたっては、個人が特定されないよう十分に配慮した。
近年、障害の重度化・重複化、多様化を背景として、特別支援教育において理学療法士(以下、PTと記す)、作業療法士、言語聴覚士等の専門家の活用や関係機関との連携の必要性が指摘されている。その中で、病院や療育施設等に勤務する外部専門家のPTは、学校教育に医学的な立場から専門的な助言を行う存在として期待されている。一方、先行研究では、連携に関する課題として、事前調整や目的共有の不十分さ、教員の受け身的な関わりなどが指摘されてきた。また、こうした課題への対応として、学校と専門職をつなぐコーディネーターの必要性も示されてきたが、連携の構造を諸要素の相互関係から明らかにした研究は、いまだ十分ではない。そこで本研究では、外部専門家として特別支援教育に関わるPTに半構造化インタビューを実施し、学校教員との連携におけるしやすさと課題を整理するとともに、連携の構造を検討することを目的とした。
【方法】
病院、療育施設、放課後等デイサービス等に勤務し、学校と連携しているPT9名を対象に、2025年8月〜2026年1月にZoomによる半構造化インタビューを実施した。質問項目は、学校との連携経験、頻度・形態、具体的内容、しやすさの要因、困難や課題、工夫や対処等である。連携のしやすさと課題に関する語りを逐語録から抽出し、KJ法による質的分析を行った。
【結果】
外部専門家のPTが学校教育に関わる際の連携のしやすさと課題として、118枚(しやすさ42枚、課題76枚)のラベルが抽出された。そして、外部専門家のPTと学校教員との連携におけるしやすさと課題は、【学校の制度・仕組み】【教員】【保護者と学校との関係】【特別支援学校で勤務しているPT(学校PT)】【連携】【外部専門家のPTや勤務する施設】【児童生徒の状況】という観点から構成されていた。これらは、連携を支える基盤、連携を継続的な実践へとつなぐ仲介的役割、連携を開始・促進する条件という3つのまとまりとして整理できた。
【結論】
外部専門家のPTと学校教員との連携は、学校教員がPTの助言を一方向的に受け取る関係ではなく、学校の制度・仕組みや教員の協働的な姿勢に支えられた基盤の上に、学校PT等の仲介的役割を通して、相互理解や目標共有を可能にする条件が加わることで、継続的な実践へとつながる構造が整理された。したがって、外部専門家のPTと学校教員との連携は、個別的・断片的な工夫としてではなく、学校内外の諸要素の関係の中で成立する構造として捉える必要があることが示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は佛教大学「人を対象とする研究」倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号2025-31-A)。対象者には、研究の意義・目的・方法、データの取り扱い、結果公表、同意撤回の方法について口頭および書面で説明し、自由意思による同意書への署名を得た。分析および記述にあたっては、個人が特定されないよう十分に配慮した。
