講演情報
[KO5-05]ブレーンストーミングを活用した業務効率化の取り組み
‐ストレス因子に関する前後評価‐
*湯浅 広介1、原 秀美1、弓削 翔真1、谷口 和樹1、水嶋 祐史1、北井 拳1 (1. 舞鶴赤十字病院)
キーワード:
ブレーンストーミング、業務効率化、ストレス
【はじめに、⽬的】
厚生労働省(厚生労働省,2024)の調査では,全労働者の中で強いストレスを感じる割合は約60%を超えるとされる.特に,「仕事量」が43.2%と最も多く,業務ストレスを軽減するには,業務量の見直しをチーム全体で検討する必要がある.そこで,当院急性期チームでは労働環境改善に向けた取り組みを行い,現労働環境に関わるストレスへの影響が生じるか否か検討した.
【⽅法】
対象は当院急性期チームに所属する7名.集団発想法であるブレーンストーミングを行い,担当患者数や新患対応の偏り,非出勤者や代診の割り振りを個別に確認する必要があるといった課題があげられた.それに対し,毎朝の急性期カンファレンスで代診の割り振りを完結させ,Microsoft Excelで担当患者を一元管理した.これにより,チーム全員が上述の情報を把握できるようにした.本取り組みを2ヵ月行い,実施前後のストレス変化を調査した.ストレス指標として厚生労働省が推奨する職業性ストレス簡易調査票を使用した.全57問中,本課題とそれに対する取り組みへの関連度が高い「仕事の負担」,「仕事の裁量度」,「対人関係・職場の雰囲気」の3項目13問を採用した.本調査は4件法で行われ,1-2点を否定的傾向,3-4点を肯定的傾向として集計した.また自由記載欄を設け,個人の意見を収集した.回答結果から採用項目ごとの点数を平均化し,ブレーンストーミングによる意見反映前後の変化を検討した.加えて,自由記載欄への意見内容はテキストマイニングにて,感情分析と単語頻出度分析を行い,ストレスに影響を及ぼした可能性のある要因を抽出した.
【結果】
ストレス指標は3項目すべてで改善傾向を示し,「仕事の裁量度」に関するストレスが2.33から3.19となった.仕事量に関連する「仕事の負担」は1.75から1.91と改善傾向を示したが,依然として2点未満であった.テキストマイニング分析では,ポジティブに分類された「業務の効率化」に関する内容が8回と最多で,一元管理によるスケジュールの把握や非出勤者の共有による代診割り振りの容易化があげられた.
【結論】
本結果は,業務の可視化と情報共有が「仕事の裁量度」を高める可能性を示唆する.これは裁量の増加がストレス軽減に寄与するという報告(Karasek,1979)と整合する.チーム内コミュニケーション改善は,医療チームのパフォーマンス向上にも寄与する(Schmutzら,2019)との報告があり,本結果を支持するものとなった.本研究の新規性は,業務改善に対する取り組みが,ストレス因子のどの項目に対して影響を及ぼすか可視化したことである.今後は対象者を増やし,得られた本介入効果の再現性と有効性を統計学的に検証する.
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は,舞鶴赤十字病院倫理委員会の承認を得た.研究対象者には,回答結果が恣意的とならないように調査の目的は回答終了後に説明し,解析への同意を得た.
厚生労働省(厚生労働省,2024)の調査では,全労働者の中で強いストレスを感じる割合は約60%を超えるとされる.特に,「仕事量」が43.2%と最も多く,業務ストレスを軽減するには,業務量の見直しをチーム全体で検討する必要がある.そこで,当院急性期チームでは労働環境改善に向けた取り組みを行い,現労働環境に関わるストレスへの影響が生じるか否か検討した.
【⽅法】
対象は当院急性期チームに所属する7名.集団発想法であるブレーンストーミングを行い,担当患者数や新患対応の偏り,非出勤者や代診の割り振りを個別に確認する必要があるといった課題があげられた.それに対し,毎朝の急性期カンファレンスで代診の割り振りを完結させ,Microsoft Excelで担当患者を一元管理した.これにより,チーム全員が上述の情報を把握できるようにした.本取り組みを2ヵ月行い,実施前後のストレス変化を調査した.ストレス指標として厚生労働省が推奨する職業性ストレス簡易調査票を使用した.全57問中,本課題とそれに対する取り組みへの関連度が高い「仕事の負担」,「仕事の裁量度」,「対人関係・職場の雰囲気」の3項目13問を採用した.本調査は4件法で行われ,1-2点を否定的傾向,3-4点を肯定的傾向として集計した.また自由記載欄を設け,個人の意見を収集した.回答結果から採用項目ごとの点数を平均化し,ブレーンストーミングによる意見反映前後の変化を検討した.加えて,自由記載欄への意見内容はテキストマイニングにて,感情分析と単語頻出度分析を行い,ストレスに影響を及ぼした可能性のある要因を抽出した.
【結果】
ストレス指標は3項目すべてで改善傾向を示し,「仕事の裁量度」に関するストレスが2.33から3.19となった.仕事量に関連する「仕事の負担」は1.75から1.91と改善傾向を示したが,依然として2点未満であった.テキストマイニング分析では,ポジティブに分類された「業務の効率化」に関する内容が8回と最多で,一元管理によるスケジュールの把握や非出勤者の共有による代診割り振りの容易化があげられた.
【結論】
本結果は,業務の可視化と情報共有が「仕事の裁量度」を高める可能性を示唆する.これは裁量の増加がストレス軽減に寄与するという報告(Karasek,1979)と整合する.チーム内コミュニケーション改善は,医療チームのパフォーマンス向上にも寄与する(Schmutzら,2019)との報告があり,本結果を支持するものとなった.本研究の新規性は,業務改善に対する取り組みが,ストレス因子のどの項目に対して影響を及ぼすか可視化したことである.今後は対象者を増やし,得られた本介入効果の再現性と有効性を統計学的に検証する.
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は,舞鶴赤十字病院倫理委員会の承認を得た.研究対象者には,回答結果が恣意的とならないように調査の目的は回答終了後に説明し,解析への同意を得た.
