講演情報

[KSSY_02]“やりたいことが分からないコンプレックス” が導いてくれた“わたし”

江草 典政 (島根大学医学部附属病院 リハビリテーション部)
略歴(主な学歴・職歴)
2005年 広島県立保健福祉大学(現:県立広島大学)保健福祉学部理学療法学科卒業
2005年 島根大学医学部附属病院リハビリテーション部 理学療法士
2012年 島根大学大学院 医学系研究科 医科学専攻博士課程修了(博士:医学)
2013年 島根大学医学部附属病院リハビリテーション部 療法士長
2019年 株式会社コーチ・エィ Coachacademia クラスコーチ
2024年 グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修士課程修了(修士:経営学)
関連資格
運動器・管理運営認定理学療法士
国際コーチング連盟 プロフェッショナル認定コーチ
学術研究業績(主な論文・表彰・著書など)
コーチングアワード2016(株式会社コーチ・エィ)
コーチングアワード2025(株式会社コーチ・エィ)       
関連領域社会活動(学会理事など)
日本理学療法士協会理事
「あなたは将来何がしたいの?」
わたしはこの言葉が嫌いです。嫌いというより、苦手が高じて嫌いになった、という感じでしょうか。もちろん普段は部門のマネジャーであり、プロフェッショナルコーチとしてスタッフやクライアントと未来の話をしますが、そんなわたし自身はこうした問いに答えることは得意ではありません。
 わたしは長らく「自分のやりたいことが分からない」というコンプレックスのようなものを感じていました。理学療法士には確かになりたかった、リハビリテーションという仕事は好きだ。でもその先にあるビジョンなんてものはよく分からなかったのです。就職して数年、同年代の人達は自分の好きな領域、目指したいものを見つけて、とても輝いているように見える。一方わたしは、日々ただ一生懸命に、ままならない臨床や部門運営の手伝いなど、できることは“ちゃんと”やっている。でも、上司や両親などに将来を問われると「何でしょうねぇ」としか答えられないわたし。このままでいいのかと常に自問自答していたように思います。あの時の自分に、将来の“わたし”は到底想像できませんでした。
 そんな“わたし”も、今は誇らしいと思える仕事に取り組むことができています。大学病院のリハビリテーション部門を預かるマネジャーとして、そして多くの方々の目標達成を支援するプロフェッショナルコーチとして、また理学療法士を支える日本理学療法士協会の理事として、多くの人に恵まれ仕事をしています。また4人の子どもの父親として、地域を守る神社の神主として大事にすべきものにも恵まれました。
でもやっぱり、どの仕事もあの時のわたしから想像できる範囲のものではありません。
これから何をすれば良いのか、わたしには何ができるのか、わたしは何がしたいのか。そんな“問いの中”にいる方は少なくないように思います。
 当日は、そういった方々が「一歩」を踏み出すきっかけになるように、わたしのキャリアで起きたことを振り返ると同時に、組織行動学やマネジメント論、コーチングなどの複数の理論を援用しながら話題を提供したいと思います。