講演情報
[JP-04]頸部痛の有無による自然視と眼球主導視における頸部回旋の比較:横断的パイロット研究
*與儀 恒平1,2、Andoni Carrasco-Uribarren2 (1. リバーシティすずき整形外科、2. Universitat Internacional de Catalunya)
キーワード:
頸部痛、眼球運動、頸部回旋
【はじめに、目的】
頸部痛では体性感覚の異常により、関節位置覚、姿勢制御、眼球運動制御に障害が生じることが報告されている。眼球運動に関する研究では、注視安定性、滑動性眼球運動、サッカード、眼球-頸部協調などが評価されているが、いずれも質的評価が中心であり、実際の物体視における眼球運動と頸部運動の量的関係を検討した研究は少ない。さらに、これらの視覚条件を頸部痛の有無で比較した研究は存在しない。そこで、本研究の目的は、頸部痛群と対照群において、自然視条件と眼球主導視条件での頸部回旋角度を比較し、視覚条件による回旋パターンの違いを明らかにすることである。
【方法】
18-60歳の男女20名を頸部痛群10名(過去3ヶ月の間に頸部痛を2回以上自覚している)と頸部痛なし群10名(過去6ヶ月間に頸部痛エピソードなし)に分類した。除外基準として、脊柱手術歴、交通事故歴、神経学的障害、前庭機能障害、眼科疾患、めまいとした。被験者は椅子座位で、Cervical Range of Motion device(CROM)を装着した。CROM中心から1mの同心円上で左右30°・60°・90°に相当する位置、かつ被験者の目と同じ高さに視標を設置した。条件は自然視条件と、眼球主導視条件(眼球から動かし、自然と同様の視野の位置で測定)の2条件を設定した。補助的測定項目として、Neck disability index(NDI)をアンケート形式で評価した。統計解析は頸部回旋角度について、群(頸部痛あり/なし)×条件(自然視/眼球主導視)を要因とする二元配置分散分析を行い、さらにNDIと頸部回旋角度の関連をPearsonの相関分析を用いて検討した。
【結果】
群間の主効果は認められなかった(p=0.685, 偏η2=0.009)。一方、条件の主効果は有意であり(p<0.001, 偏η2=0.793)、視覚条件が頸部回旋に強く影響した。30°条件における群×条件の交互作用に有意差はなかったものの(p=0.092)、効果量は大きかった(偏η2=0.149)。60°および90°条件では群×条件の交互作用は認められなかった。また、NDIと頸部回旋角度は、30°の自然視条件で負の相関を示した(r=-0.540, p=0.014)。
【結論】
頸部痛の有無による頸部回旋角度の差は認められなかったが、視覚条件は頸部回旋角度に強い影響を与えた。特に30°条件では、群間の反応パターンが異なる可能性が、効果量から示唆されたが、有意差に至らなかったため、探索的結果として解釈される。また、30°の自然視条件におけるNDIの負の相関は、日常的な小さな頸部回旋角度に頸部痛の重症度が反映される可能性を示した。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は所属機関の倫理審査委員会の承認を受けて実施した(承認番号:2026-003)。参加者には研究目的、方法、リスクおよびプライバシー保護について書面および口頭で説明し、自由意志による参加の同意を文書で取得した。研究はヘルシンキ宣言に基づき実施した。
頸部痛では体性感覚の異常により、関節位置覚、姿勢制御、眼球運動制御に障害が生じることが報告されている。眼球運動に関する研究では、注視安定性、滑動性眼球運動、サッカード、眼球-頸部協調などが評価されているが、いずれも質的評価が中心であり、実際の物体視における眼球運動と頸部運動の量的関係を検討した研究は少ない。さらに、これらの視覚条件を頸部痛の有無で比較した研究は存在しない。そこで、本研究の目的は、頸部痛群と対照群において、自然視条件と眼球主導視条件での頸部回旋角度を比較し、視覚条件による回旋パターンの違いを明らかにすることである。
【方法】
18-60歳の男女20名を頸部痛群10名(過去3ヶ月の間に頸部痛を2回以上自覚している)と頸部痛なし群10名(過去6ヶ月間に頸部痛エピソードなし)に分類した。除外基準として、脊柱手術歴、交通事故歴、神経学的障害、前庭機能障害、眼科疾患、めまいとした。被験者は椅子座位で、Cervical Range of Motion device(CROM)を装着した。CROM中心から1mの同心円上で左右30°・60°・90°に相当する位置、かつ被験者の目と同じ高さに視標を設置した。条件は自然視条件と、眼球主導視条件(眼球から動かし、自然と同様の視野の位置で測定)の2条件を設定した。補助的測定項目として、Neck disability index(NDI)をアンケート形式で評価した。統計解析は頸部回旋角度について、群(頸部痛あり/なし)×条件(自然視/眼球主導視)を要因とする二元配置分散分析を行い、さらにNDIと頸部回旋角度の関連をPearsonの相関分析を用いて検討した。
【結果】
群間の主効果は認められなかった(p=0.685, 偏η2=0.009)。一方、条件の主効果は有意であり(p<0.001, 偏η2=0.793)、視覚条件が頸部回旋に強く影響した。30°条件における群×条件の交互作用に有意差はなかったものの(p=0.092)、効果量は大きかった(偏η2=0.149)。60°および90°条件では群×条件の交互作用は認められなかった。また、NDIと頸部回旋角度は、30°の自然視条件で負の相関を示した(r=-0.540, p=0.014)。
【結論】
頸部痛の有無による頸部回旋角度の差は認められなかったが、視覚条件は頸部回旋角度に強い影響を与えた。特に30°条件では、群間の反応パターンが異なる可能性が、効果量から示唆されたが、有意差に至らなかったため、探索的結果として解釈される。また、30°の自然視条件におけるNDIの負の相関は、日常的な小さな頸部回旋角度に頸部痛の重症度が反映される可能性を示した。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は所属機関の倫理審査委員会の承認を受けて実施した(承認番号:2026-003)。参加者には研究目的、方法、リスクおよびプライバシー保護について書面および口頭で説明し、自由意志による参加の同意を文書で取得した。研究はヘルシンキ宣言に基づき実施した。
