講演情報
[JP-08]外側円板状半月板に対する関節鏡視下半月板形成術後歩容改善に難渋した発達性協調運動症児の一症例
*鈴木 貴博1、宮坂 康之1、山田 敏昭1、森田 将矢1 (1. 医療法人海星会東逗子整形外科クリニック)
キーワード:
発達性協調運動症、外側円板状半月板、側弯症
【症例紹介】
外側円板状半月板に対し関節鏡視下半月板形成術を実施した10代男性。既往歴に外斜視、立体視障害、側弯症がある。幼少期には、転倒が多く運動が不得意で発達支援センターにてO Tが階段昇降やボール投球などの運動訓練を行なっていた。運動の円滑性が問題視されていたが、家庭事情で通所出来ず、斜視・立体視障害の影響か、運動発達障害の影響であるかの判断が出来なかった。また吃音の症状も軽度見られたことから他院S Tによる構音訓練も実施していた。術後、手術を施行した病院にて左膝関節機能回復を目指した通院リハビリを行うも、症状改善に難渋しリハビリ頻度増加を目的に当院へ転院となった。当院来院時筋緊張が入りやすく歩行不安定性があった。その後、疼痛・関節可動域の改善は認められたものの、歩容の改善や歩行距離の延長には繋がらなかった。そこで当院より依頼し脳神経内科を受診し脳波、脳神経に異常はないが発達性協調運動症(以下:DCD)の診断基準を満たしていると診断を受けた。DCDと側弯症に対し運動学習を繰り返すことで、歩容が改善し歩行距離の延長が獲得できた。
【評価とリーズニング】
初診時の術後3ヶ月では左膝関節伸展制限が残存しており-20°であった。疼痛は左膝関節外側と下腿外側に認めNRS6/10であり開排歩行が著名であった。左膝関節を中心に介入し、左膝関節伸展は-5°まで改善し、疼痛のない状態まで回復した。しかし連続歩行は約10分が限度で開排歩行も残存していた。著名な筋力低下は認められなかったが、片脚立位は右側平均20.3秒、左側平均6.6秒程であり、左下肢支持性の低下が認められた。また側弯症により体幹不安定性があり、左下肢支持性が低下していると推察し評価を行なった。アライメントは左肩甲上位、右側腹部は短縮位となっており、腹斜筋・腰方形筋の機能低下が認められた。歩容は左立脚時間の短縮が見られ、立脚中期から後期にかけ体幹右側屈が著名となり右下肢への荷重移動が早期に行われていた。体幹-下肢の運動協調性が低下しており、体幹回旋量の低下や上肢の前方振り出し低下が認められた。
【介入内容と結果】
腹斜筋群と腰方形筋への介入を行い、片脚立位は右側平均23.8秒と左側平均17.2秒と支持性が向上し、歩行時の体幹右側屈が軽減した。また体幹-下肢の協調性運動を向上させるため、上肢前方振り出しを誘導した結果、歩容が安定し連続歩行が30分以上可能となった。
【考察】
左膝関節中心の介入で左下肢機能の向上が認められたが、DCDと側弯症の影響により体幹安定性を保持することができていなかった。そこで体幹にも介入することで体幹、下肢共に安定性が向上し、体幹-下肢協調性運動も向上させたことで歩容も改善したと考える。術後であっても、局所だけでなく患者の既往や患者背景にも着目して介入することが重要である。
【倫理的配慮、説明と同意】
本報告は本人・保護者に趣旨及び目的を十分に説明し同意を得た。
外側円板状半月板に対し関節鏡視下半月板形成術を実施した10代男性。既往歴に外斜視、立体視障害、側弯症がある。幼少期には、転倒が多く運動が不得意で発達支援センターにてO Tが階段昇降やボール投球などの運動訓練を行なっていた。運動の円滑性が問題視されていたが、家庭事情で通所出来ず、斜視・立体視障害の影響か、運動発達障害の影響であるかの判断が出来なかった。また吃音の症状も軽度見られたことから他院S Tによる構音訓練も実施していた。術後、手術を施行した病院にて左膝関節機能回復を目指した通院リハビリを行うも、症状改善に難渋しリハビリ頻度増加を目的に当院へ転院となった。当院来院時筋緊張が入りやすく歩行不安定性があった。その後、疼痛・関節可動域の改善は認められたものの、歩容の改善や歩行距離の延長には繋がらなかった。そこで当院より依頼し脳神経内科を受診し脳波、脳神経に異常はないが発達性協調運動症(以下:DCD)の診断基準を満たしていると診断を受けた。DCDと側弯症に対し運動学習を繰り返すことで、歩容が改善し歩行距離の延長が獲得できた。
【評価とリーズニング】
初診時の術後3ヶ月では左膝関節伸展制限が残存しており-20°であった。疼痛は左膝関節外側と下腿外側に認めNRS6/10であり開排歩行が著名であった。左膝関節を中心に介入し、左膝関節伸展は-5°まで改善し、疼痛のない状態まで回復した。しかし連続歩行は約10分が限度で開排歩行も残存していた。著名な筋力低下は認められなかったが、片脚立位は右側平均20.3秒、左側平均6.6秒程であり、左下肢支持性の低下が認められた。また側弯症により体幹不安定性があり、左下肢支持性が低下していると推察し評価を行なった。アライメントは左肩甲上位、右側腹部は短縮位となっており、腹斜筋・腰方形筋の機能低下が認められた。歩容は左立脚時間の短縮が見られ、立脚中期から後期にかけ体幹右側屈が著名となり右下肢への荷重移動が早期に行われていた。体幹-下肢の運動協調性が低下しており、体幹回旋量の低下や上肢の前方振り出し低下が認められた。
【介入内容と結果】
腹斜筋群と腰方形筋への介入を行い、片脚立位は右側平均23.8秒と左側平均17.2秒と支持性が向上し、歩行時の体幹右側屈が軽減した。また体幹-下肢の協調性運動を向上させるため、上肢前方振り出しを誘導した結果、歩容が安定し連続歩行が30分以上可能となった。
【考察】
左膝関節中心の介入で左下肢機能の向上が認められたが、DCDと側弯症の影響により体幹安定性を保持することができていなかった。そこで体幹にも介入することで体幹、下肢共に安定性が向上し、体幹-下肢協調性運動も向上させたことで歩容も改善したと考える。術後であっても、局所だけでなく患者の既往や患者背景にも着目して介入することが重要である。
【倫理的配慮、説明と同意】
本報告は本人・保護者に趣旨及び目的を十分に説明し同意を得た。
