講演情報

[JP-10]健常若年男性における脊柱骨盤アライメント分類と筋短縮指標との関連性

*石倉 由菜1、赤尾 陽2、兒玉 隆之3、宮﨑 純弥3、重藤 隼人3 (1. 西京都病院、2. かさはら医院、3. 京都橘大学 健康科学部 理学療法学科)

キーワード:

脊柱アライメント、筋短縮、クラスター解析

【はじめに】
脊柱骨盤アライメントは筋長や柔軟性に影響を及ぼし、姿勢特性や運動機能に関連すると考えられている。特に矢状面アライメントの変化は、股関節周囲筋や体幹筋群の筋長に関与することが報告されている。しかし、個人によってアライメント特性は異なり、筋短縮との関連性は一様ではないことも示唆され、複合的なアライメント特性と筋短縮の関連性は十分に明らかにされていない。本研究では、胸椎後弯、腰椎前弯、骨盤前傾を用いた複合的なアライメント特性に基づくクラスター分類を行い、全体および各アライメント特性群における脊柱骨盤アライメントと筋短縮指標の関連性を検討することを目的とした。
【方法】
対象は健常若年男性41名とし、胸椎後弯角度、腰椎前弯角度、骨盤前傾角度を自在曲線定規および傾斜計により評価した。筋長指標は腸腰筋、大腿直筋、大殿筋、ハムストリングス、背筋群、腹筋群に対して測定を行い、画像解析および距離計測により算出した。問う解析は、胸椎後弯角度、腰椎前弯角度、骨盤前傾角度を標準化し、Ward法によるクラスター分析を実施した。全体およびクラスター分析で分類した各群において、3つの脊柱アライメント指標と筋短縮指標(大腿直筋、ハムストリングス、腸腰筋、大殿筋、背筋群、腹筋群)の関連をSpearman順位相関分析により探索的に関連性を検討した。有意水準は5%とした。
【結果】
対象者は、C1:低胸椎後弯・低腰椎前弯・低骨盤前傾型(23名)、C2:中等度胸椎後弯・中等度腰椎前弯かつ高骨盤前傾型(14名)、C3:高胸椎後弯・高腰椎前弯かつ高骨盤前傾型(4名)の3群に分類された。全体解析では、胸椎後弯角度と背筋群の関連は負の相関を示し(r=-0.42、p=0.007)、胸椎後弯が大きいほど背筋群短縮は弱い方向を示した。一方、胸椎後弯と腹筋群では短縮方向の正の関連を認めた(r=0.32、p=0.044)。また、腰椎前弯と腸腰筋短縮方向に関連傾向を認めた(r=0.26、p=0.097)。クラスター別では、C1において腰椎前弯と腸腰筋短縮方向の関連を認め(r=0.47、p=0.023)、C2では骨盤前傾と大殿筋短縮方向に強い関連を認めた(r=0.65、p=0.011)。C3は対象数が少なく傾向をみると、骨盤前傾と腸腰筋短縮に関連する傾向がみられた(r=0.8)。
【結論】
脊柱骨盤アライメントと筋短縮の関連は、対象者全体で一様ではなく、アライメント特性の異なるサブタイプごとに異なる可能性が示唆された。特に、脊柱弯曲が少ない低アライメント型では腰椎前弯と腸腰筋短縮、中等度アライメント型では骨盤前傾と大殿筋短縮との関連が特徴的であり、筋短縮を含めた姿勢評価においては個々のアライメント特性を考慮する必要性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は京都橘大学倫理委員会の承認(承認番号:24-74)を受け実施した。対象者には研究内容について口頭および文書で説明し、研究参加への同意を得た。