講演情報

[JP-14]超音波画像診断装置を用いた烏口上腕骨頭間距離測定の検者内信頼性

*竹下 真広1,2、宮崎 純弥3 (1. なかじま内科・整形スポーツクリニック、2. 京都橘大学大学院 健康科学研究科、3. 京都橘大学 健康科学部 理学療法学科)

キーワード:

烏口上腕骨頭間距離、超音波画像診断装置、検者内信頼性

【はじめに、目的】
 烏口上腕骨頭間距離(coracohumeral distance:以下CHD)は、烏口突起と上腕骨頭との最短距離を指し、肩関節前方部の解剖学的環境を反映する指標として用いられている。CHDの狭小化は烏口下インピンジメントや肩甲下筋腱障害との関連が報告されている。
 超音波を用いたCHD測定の信頼性は、先行研究において良好であることが報告されているが、測定値は測定条件や検者の熟練度の影響を受ける可能性がある。そこで本研究では、今回採用した測定条件におけるCHD測定の検者内信頼性を検討することを目的とした。

【方法】
 対象は肩関節に疼痛や運動障害を有さない健常成人7名(男性5名、女性2名)である。測定は経験年数16年の理学療法士1名が実施した。CHDは超音波画像診断装置を用いて測定した。対象者は背臥位とし、肩関節挙上0°、外転0°、肘関節90°屈曲位を基本肢位として、肩関節回旋中間位、内旋35°、外旋35°の3条件で測定した。
 日内信頼性は同日に1時間以上の間隔を空けて2回測定し、日間信頼性は1週間後に再測定して評価した。各測定では3回計測した平均値を採用した。統計解析にはICC(3,3)、標準誤差(SEM)、最小可検変化量(MDC95)を用いた。

【結果】
 対象者7名におけるCHDの平均値±標準偏差は、中間位で1.22±0.27cm、内旋35°で1.21±0.21cm、外旋35°で1.22±0.20cmであった。
 ICC(3,3)は、日内信頼性において中間位で0.982、内旋35°で0.938、外旋35°で0.940であった。日間信頼性においては中間位で0.994、内旋35°で0.979、外旋35°で0.986であった。SEMは0.020~0.053 cm、MDC95は0.055~0.146 cmの範囲であった。すべての測定条件においてICCは0.90を上回り、高い検者内信頼性を示した。

【結論】
本研究で用いた超音波画像診断装置によるCHD測定は、日内および日間ともに高い検者内信頼性を示した。また、SEMおよびMDC95はいずれも小さく、測定誤差が小さいことが示された。以上より、本研究で採用した測定手技は高い再現性を有し、今後のCHD研究において有用な測定方法である可能性が示唆された。

【倫理的配慮、説明と同意】
 本研究に際し、対象者には研究の目的、方法、参加の自由、個人情報保護について口頭で十分に説明し、同意を得た上で実施した。