講演情報
[JP-15]腰椎疾患の病期別身体特性とJOABPEQ障害項目の関係性
*川崎 永大1、森山 信彰2,3,4、佐藤 匠真1、長総 義弘1 (1. ながおさ整形外科、2. 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所、3. 福島県立医科大学医学部バイオメディカル・アナリティクス学講座、4. 神戸大学大学院医学系研究科)
キーワード:
JOABPEQ、腰痛、病期
【はじめに、目的】
2022年国民生活基礎調査において腰痛は有訴率第1位であり、病期に応じた病態把握は治療戦略構築に不可欠である。慢性化因子として加齢や心理社会的因子が知られる中、患者立脚型評価であるJOABPEQを用いた保存療法の病期別(急性・亜急性・慢性期)の検討は少ない。本研究の目的は、保存療法における病期別の身体特性およびJOABPEQの障害特性を明らかにすることである。
【方法】
対象は2021年12月〜2025年12月に理学療法介入を行った腰痛患者101名中、JOABPEQの初期・最終評価を実施した57名である。腰痛診療ガイドライン2019に基づき3群(急性、亜急性、慢性期)に分類し、後方視的に比較した。評価項目は、年齢、性別、BMI、JOABPEQ5項目、SLR、FFD、VAS(腰痛、下肢痛、痺れ)、X線所見(腰椎前弯角:LLA、腰仙角:LSA)とした。統計解析は、介入前後比較にウィルコクソン符号付順位検定、3群間比較に一元配置分散分析またはカイ二乗検定を行い、多重比較検定を実施した。なお、有意水準は5%未満とした。
【結果】
理学療法介入前後の2群間比較ではJOABPEQ全5項目およびVASにおいて有意差が認められた。次に年齢の3群間比較において慢性期群と亜急性期群において有意差を認め(p<0.01)慢性期群の年齢が高かった。また、腰椎前弯角の3群間比較において慢性期群は急性期群(p <0.01)および亜急性期群(p <0.02)と比較して有意差を認め腰椎前弯角が減少していた。
【結論】
本研究では理学療法介入前後と病期別の身体特性とJOABPEQを用い比較検討した。介入前後においてはJOABPEQ、VASにおいて改善がみられた。また病期別の3群間比較において年齢は亜急性期群と慢性期群で有意差(p<0.01)が認められた。先行研究でも高齢者ほど慢性腰痛のオッズ比が高いと報告されており先行研究を支持する結果となった。一方、急性期群と慢性期群に有意差(p>0.58)を認めなかった。このとは脊椎変性疾患を背景とした高齢者の急性増悪症例が含まれていたことが考えられた。次に腰椎前弯角については、慢性期群が急性期群(p <0.01)亜急性期群(p <0.02)と比較し有意差がみとめられ腰椎前弯角の減少が認められた。高齢者は腰仙部アライメントが減少傾向にあるとする報告されている。慢性期症例における腰椎前弯角の減少は、長期的な疼痛や加齢に伴う構造的変化を反映していると考えられた。一方で、JOABPEQ各項目やVAS、SLRやFFDなどの身体特性は病期別の有意差は認められなかった。これは病期という時間的軸のみでは捉えきれない、個別の病態が関与している可能性を示唆していると考えられる。以上より、腰椎疾患の保存療法における理学療法介入においては、個々の症例がもつ身体特性やJOABPEQの障害特性に応じた柔軟な対応が肝要であると考えられた。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は対象者に対して書面にて趣旨を説明し同意を得た上で、後方視的調査として個人情報の匿名化を行なった。また、本研究はながおさ整形外科倫理委員会より承認(承認番号:2021-01)を得て実施した。
2022年国民生活基礎調査において腰痛は有訴率第1位であり、病期に応じた病態把握は治療戦略構築に不可欠である。慢性化因子として加齢や心理社会的因子が知られる中、患者立脚型評価であるJOABPEQを用いた保存療法の病期別(急性・亜急性・慢性期)の検討は少ない。本研究の目的は、保存療法における病期別の身体特性およびJOABPEQの障害特性を明らかにすることである。
【方法】
対象は2021年12月〜2025年12月に理学療法介入を行った腰痛患者101名中、JOABPEQの初期・最終評価を実施した57名である。腰痛診療ガイドライン2019に基づき3群(急性、亜急性、慢性期)に分類し、後方視的に比較した。評価項目は、年齢、性別、BMI、JOABPEQ5項目、SLR、FFD、VAS(腰痛、下肢痛、痺れ)、X線所見(腰椎前弯角:LLA、腰仙角:LSA)とした。統計解析は、介入前後比較にウィルコクソン符号付順位検定、3群間比較に一元配置分散分析またはカイ二乗検定を行い、多重比較検定を実施した。なお、有意水準は5%未満とした。
【結果】
理学療法介入前後の2群間比較ではJOABPEQ全5項目およびVASにおいて有意差が認められた。次に年齢の3群間比較において慢性期群と亜急性期群において有意差を認め(p<0.01)慢性期群の年齢が高かった。また、腰椎前弯角の3群間比較において慢性期群は急性期群(p <0.01)および亜急性期群(p <0.02)と比較して有意差を認め腰椎前弯角が減少していた。
【結論】
本研究では理学療法介入前後と病期別の身体特性とJOABPEQを用い比較検討した。介入前後においてはJOABPEQ、VASにおいて改善がみられた。また病期別の3群間比較において年齢は亜急性期群と慢性期群で有意差(p<0.01)が認められた。先行研究でも高齢者ほど慢性腰痛のオッズ比が高いと報告されており先行研究を支持する結果となった。一方、急性期群と慢性期群に有意差(p>0.58)を認めなかった。このとは脊椎変性疾患を背景とした高齢者の急性増悪症例が含まれていたことが考えられた。次に腰椎前弯角については、慢性期群が急性期群(p <0.01)亜急性期群(p <0.02)と比較し有意差がみとめられ腰椎前弯角の減少が認められた。高齢者は腰仙部アライメントが減少傾向にあるとする報告されている。慢性期症例における腰椎前弯角の減少は、長期的な疼痛や加齢に伴う構造的変化を反映していると考えられた。一方で、JOABPEQ各項目やVAS、SLRやFFDなどの身体特性は病期別の有意差は認められなかった。これは病期という時間的軸のみでは捉えきれない、個別の病態が関与している可能性を示唆していると考えられる。以上より、腰椎疾患の保存療法における理学療法介入においては、個々の症例がもつ身体特性やJOABPEQの障害特性に応じた柔軟な対応が肝要であると考えられた。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は対象者に対して書面にて趣旨を説明し同意を得た上で、後方視的調査として個人情報の匿名化を行なった。また、本研究はながおさ整形外科倫理委員会より承認(承認番号:2021-01)を得て実施した。
