講演情報

[KSY2_03]循環器疾患患者における退院支援のポイント―再入院予防を見据えた疾患管理の継続と地域連携―

白井 貴之 (医療法人 ふくおかクリニック 心臓リハビリテーション部)
略歴(主な学歴・職歴)
学歴
2015年 佛教大学 保健医療技術学部 理学療法学専攻 卒業
職歴
2015年 洛和会音羽リハビリテーション病院 リハビリテーション科 入職
2017年 洛和会音羽病院 勤務 (2023年〜副係長)
2022年 勝目医院 非常勤勤務
2024年 ふくおかクリニック 勤務
関連資格
登録理学療法士
認定理学療法士(循環)   
心臓リハビリテーション指導士
心不全療養指導士
腎臓リハビリテーション指導士
栄養サポートチーム専門療法士
日本糖尿病療養指導士        
学術研究業績(主な論文・表彰・著書など)
日本心臓リハビリテーション学会 第8回近畿支部地方会 優秀演題賞           
関連領域社会活動(学会理事など)
京都府理学療法士協会 生涯学習部 部会員
近年、循環器疾患患者に対する急性期リハビリテーションでは、早期離床・早期運動療法が定着し、入院関連機能障害(Hospital-Associated Disability:HAD)の予防に加え、入院中から再発・再入院予防を見据えた運動療法や患者教育が行われている。一方で、在院日数の短縮に伴い、心不全や虚血性心疾患患者が短期間で退院する機会も増加している。循環器疾患では、退院後も服薬管理、食事療法、運動療法、体重測定をはじめとするセルフモニタリングなどの疾患管理を継続することが再入院予防に重要である。しかし、限られた入院期間の中で患者や家族が必要な知識や行動を十分に習得することは容易ではなく、退院後を見据えた継続支援が求められる。
理学療法士には、入院中の運動療法に加え、患者・家族への教育や自己管理支援を行うとともに、退院後も運動療法や疾患管理を継続できる環境を調整する役割が求められる。退院後の支援先としては、かかりつけ医、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、通所介護、外来心臓リハビリテーションなど多様な選択肢が存在する。なかでも外来心臓リハビリテーションは、多職種による継続的な評価、運動療法、患者教育を提供できる場であり、再入院予防に寄与することが示されている。
一方で、退院後の診療をかかりつけ医へ引き継ぐ体制は定着しているものの、再入院予防を目的とした外来心臓リハビリテーションを併用する地域連携モデルは十分に浸透しているとは言い難い。かかりつけ医による継続診療を基盤としながら、必要に応じて外来心臓リハビリテーションを組み合わせる支援体制は、今後さらに活用が期待される地域連携の形の一つと考える。また、通院手段の確保や地域資源の認知不足など、継続支援を阻害する課題も存在する。
本発表では、循環器疾患患者の退院支援において理学療法士が果たすべき役割を整理するとともに、「どこへ退院するか」だけでなく、「退院後の疾患管理を誰がどのように支えるか」という視点から、急性期から地域へ切れ目なく支援を継続するための方策について考察する。