講演情報
[KP_04]体幹・下肢筋力および立位アライメントがバランスに影響を与えたTHA術後症例
*江端 秀陽1 (1. 京都大原記念病院)
キーワード:
立位アライメント、体幹機能、下肢筋力増強
【症例紹介】
80代後半女性。X年Y月Z日に転倒受傷し急性期病院へ搬送。同日、右大腿骨人工骨頭置換術(以下.THA)実施。側方アプローチで展開しており、術中所見で易脱臼性は認めなかった。術後経過良好。自宅退院を目指しZ+20日後に当院回復期リハビリテーション病棟へ入院。
【評価とリーズニング】
入院時、Berg Balance Scale(以下.BBS):31/56点。Functional Assessment for Control of Trunk(以下.FACT)13/20点。MMT(右):腸腰筋3、大殿筋3、中殿筋2、大腿四頭筋3、下腿三頭筋3、前脛骨筋3。立位アライメント:体幹後傾・腰椎前弯減少・骨盤後傾位。歩行分析(馬蹄型歩行器にて実施):体幹後傾歩行。右立脚期にてトレンデレンブルグ徴候あり。術創部周囲の荷重時痛あり。Timed Up and Go test(以下.TUG):右回り30.9秒,左回り31.1秒(馬蹄型歩行器使用)。10m歩行:30.4秒(馬蹄型歩行器使用)。Mini-Mental State Examination(以下.MMSE):16点。以上より立位アライメントの崩れや体幹機能・術側下肢筋力の低下が歩行の安定性に影響を及ぼしていると考えた。
【介入内容と結果】
退院時(Z+95日)の術側下肢筋力は端座位での股関節屈曲運動、立位での股関節伸展運動・外転運動、スクワット、カーフレイズ、トゥーフレイズによりMMT(右):腸腰筋5、大殿筋4、中殿筋3、大腿四頭筋5、下腿三頭筋4、前脛骨筋4まで改善した。入院時に比べ殿筋群が強化されたことや荷重時痛の軽減により立位での股関節周囲の安定性が向上し、立位バランスはBBS:52/56点まで向上した。歩行は体幹後傾歩行とトレンデレンブルグ徴候に改善を認めた。プランクや四つ這い姿勢によりFACT:20/20点まで向上したため、体幹機能は向上したと考える。また立位アライメントに関しては、静止立位にて骨盤前傾運動を反復し、その後T字杖を使用した歩行練習で骨盤前傾を促しつつ歩行を行うことで姿勢修正を図った。これにより立位・歩行時の骨盤後傾姿勢に改善を認めた。Z+82日にT字杖歩行獲得した。TUG:右回り11.8秒,左回り11.3秒(T字杖使用)、10m歩行:11.3秒(T字杖使用)にまで向上した。
【考察】
立位アライメントの改善、体幹機能と下肢筋力の向上に伴い、立位バランスの向上を認めたことから、下肢筋力だけでなくアライメント異常や体幹機能の低下も立位バランスの低下の一因になりうると考えた。そのため、筋力や可動域だけでなくアライメントや体幹機能の評価・アプローチも重要であると考える。
【倫理的配慮、説明と同意】
対象者に個人情報の取り扱い及び院外発表について説明し同意を得た。発表に関しては当院倫理委員会からの承認を得た。
80代後半女性。X年Y月Z日に転倒受傷し急性期病院へ搬送。同日、右大腿骨人工骨頭置換術(以下.THA)実施。側方アプローチで展開しており、術中所見で易脱臼性は認めなかった。術後経過良好。自宅退院を目指しZ+20日後に当院回復期リハビリテーション病棟へ入院。
【評価とリーズニング】
入院時、Berg Balance Scale(以下.BBS):31/56点。Functional Assessment for Control of Trunk(以下.FACT)13/20点。MMT(右):腸腰筋3、大殿筋3、中殿筋2、大腿四頭筋3、下腿三頭筋3、前脛骨筋3。立位アライメント:体幹後傾・腰椎前弯減少・骨盤後傾位。歩行分析(馬蹄型歩行器にて実施):体幹後傾歩行。右立脚期にてトレンデレンブルグ徴候あり。術創部周囲の荷重時痛あり。Timed Up and Go test(以下.TUG):右回り30.9秒,左回り31.1秒(馬蹄型歩行器使用)。10m歩行:30.4秒(馬蹄型歩行器使用)。Mini-Mental State Examination(以下.MMSE):16点。以上より立位アライメントの崩れや体幹機能・術側下肢筋力の低下が歩行の安定性に影響を及ぼしていると考えた。
【介入内容と結果】
退院時(Z+95日)の術側下肢筋力は端座位での股関節屈曲運動、立位での股関節伸展運動・外転運動、スクワット、カーフレイズ、トゥーフレイズによりMMT(右):腸腰筋5、大殿筋4、中殿筋3、大腿四頭筋5、下腿三頭筋4、前脛骨筋4まで改善した。入院時に比べ殿筋群が強化されたことや荷重時痛の軽減により立位での股関節周囲の安定性が向上し、立位バランスはBBS:52/56点まで向上した。歩行は体幹後傾歩行とトレンデレンブルグ徴候に改善を認めた。プランクや四つ這い姿勢によりFACT:20/20点まで向上したため、体幹機能は向上したと考える。また立位アライメントに関しては、静止立位にて骨盤前傾運動を反復し、その後T字杖を使用した歩行練習で骨盤前傾を促しつつ歩行を行うことで姿勢修正を図った。これにより立位・歩行時の骨盤後傾姿勢に改善を認めた。Z+82日にT字杖歩行獲得した。TUG:右回り11.8秒,左回り11.3秒(T字杖使用)、10m歩行:11.3秒(T字杖使用)にまで向上した。
【考察】
立位アライメントの改善、体幹機能と下肢筋力の向上に伴い、立位バランスの向上を認めたことから、下肢筋力だけでなくアライメント異常や体幹機能の低下も立位バランスの低下の一因になりうると考えた。そのため、筋力や可動域だけでなくアライメントや体幹機能の評価・アプローチも重要であると考える。
【倫理的配慮、説明と同意】
対象者に個人情報の取り扱い及び院外発表について説明し同意を得た。発表に関しては当院倫理委員会からの承認を得た。
