講演情報
[KP_10]透析時運動と定期評価を基盤としたADL低下の早期発見と短期集中リハビリの効果
*堀 貴弘1 (1. 洛和会音羽記念病院)
キーワード:
透析時運動、身体機能評価、リハビリ入院
【症例紹介】
本症例は60歳代女性で、慢性腎不全による維持透析を受け、透析時運動を行っている。既往に多発性脳梗塞と仮性球麻痺を有する。定期評価にてSPPBなどの各種機能の低下がみられた。またADL低下を早期に捉え、リハビリテーション目的での入院を提案し同意を得たため、入院介入を行い改善を得たため報告する。
【評価とリーズニング】
初期評価では、SPPB0点やBBS5点と著明なバランス低下を認め、閉脚立位保持は困難で転倒リスクが高かった。膝伸展筋力は左右とも筋力体重比0.1kgf/kg未満であり、山﨑らの報告する動作能力低下基準0.2kgf/kgを下回った。また起立・移乗・下衣操作のいずれも困難で、トイレ動作自立には大きな制限があると判断した。問題点として、下肢筋力低下を基盤としたバランス能力低下および起立・移乗能力低下を抽出した。
【介入内容と結果】
入院リハビリでは筋力増強訓練、起立訓練、立位バランス訓練を実施し、加えて透析時運動でのレジスタンス運動とエルゴメーターを継続した。最終評価で膝伸展筋力は左右とも軽度改善し、BBSは5点から26点、SPPBは0点から3点へと向上した。トイレ動作は、手すり使用下での起立が可能となり、下衣操作は見守りレベルまで改善した。
【考察】
本症例の特徴は、透析室における定期的な身体機能評価により、ADL低下を早期に検出し、タイムリーに入院、リハビリテーションへつなげることができた点にある。透析患者は身体機能低下の進行が緩徐かつ自覚されにくいことが多いが、SPPBや筋力評価といった客観的指標を継続的に測定することで、機能変化を可視化できる。本症例においても、定期評価がなければADL低下の進行を見逃していた可能性がある。
また、短期間であっても、明確な課題設定のもとで集中的に介入することで、実用的な動作改善が得られた。一方で完全自立には至らず、脳血管障害後遺症による体幹機能障害や左右差の影響が残存したと考えられる。
以上より、透析患者においては、運動介入そのものに加え、定期的な機能評価を基盤とした早期介入体制の構築が重要であり、ADL低下予防および重症化回避に寄与する可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本症例報告の作成にあたり、患者本人に目的と内容を説明し、同意を得た。個人情報の保護に十分配慮し、特定につながる情報は匿名化した。
本症例は60歳代女性で、慢性腎不全による維持透析を受け、透析時運動を行っている。既往に多発性脳梗塞と仮性球麻痺を有する。定期評価にてSPPBなどの各種機能の低下がみられた。またADL低下を早期に捉え、リハビリテーション目的での入院を提案し同意を得たため、入院介入を行い改善を得たため報告する。
【評価とリーズニング】
初期評価では、SPPB0点やBBS5点と著明なバランス低下を認め、閉脚立位保持は困難で転倒リスクが高かった。膝伸展筋力は左右とも筋力体重比0.1kgf/kg未満であり、山﨑らの報告する動作能力低下基準0.2kgf/kgを下回った。また起立・移乗・下衣操作のいずれも困難で、トイレ動作自立には大きな制限があると判断した。問題点として、下肢筋力低下を基盤としたバランス能力低下および起立・移乗能力低下を抽出した。
【介入内容と結果】
入院リハビリでは筋力増強訓練、起立訓練、立位バランス訓練を実施し、加えて透析時運動でのレジスタンス運動とエルゴメーターを継続した。最終評価で膝伸展筋力は左右とも軽度改善し、BBSは5点から26点、SPPBは0点から3点へと向上した。トイレ動作は、手すり使用下での起立が可能となり、下衣操作は見守りレベルまで改善した。
【考察】
本症例の特徴は、透析室における定期的な身体機能評価により、ADL低下を早期に検出し、タイムリーに入院、リハビリテーションへつなげることができた点にある。透析患者は身体機能低下の進行が緩徐かつ自覚されにくいことが多いが、SPPBや筋力評価といった客観的指標を継続的に測定することで、機能変化を可視化できる。本症例においても、定期評価がなければADL低下の進行を見逃していた可能性がある。
また、短期間であっても、明確な課題設定のもとで集中的に介入することで、実用的な動作改善が得られた。一方で完全自立には至らず、脳血管障害後遺症による体幹機能障害や左右差の影響が残存したと考えられる。
以上より、透析患者においては、運動介入そのものに加え、定期的な機能評価を基盤とした早期介入体制の構築が重要であり、ADL低下予防および重症化回避に寄与する可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本症例報告の作成にあたり、患者本人に目的と内容を説明し、同意を得た。個人情報の保護に十分配慮し、特定につながる情報は匿名化した。
