講演情報
[KP_12]変形性膝関節症患者に対する術前介入における大腿四頭筋セッティング運動の検討
*江見 俊亮1 (1. 京都九条病院)
キーワード:
変形性膝関節症、大腿四頭筋、バイオフィードバック
【症例紹介】70代男性。2年前から右膝関節痛を認め、1ヶ月前から疼痛増悪したためX月Y日に当院受診、変形性膝関節症(膝OA)の診断を受けた。5ヶ月後の人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty : TKA)施行が予定され、それに対する術前リハビリ開始となった。
【評価とリーズニング】初回介入時、理学療法評価では、右膝関節ROM-t(他動/自動)屈曲130°/125°、伸展-5°/-10°筋力は等尺性筋力測定にて屈曲19Nm、伸展72Nm、内側広筋(VM)の筋厚の健側比は71.4% 、Timed Up and Go test(TUG)は9.31秒16歩、荷重時の疼痛はNRS 7/10、JKOMは48/125点であった。主に長距離歩行や庭掃除などの活動での困難感の訴えを認めた。理学療法介入は、膝関節伸展筋力が向上し疼痛が軽減することで動作能力が改善し、生活動作での困難感の軽減を図ること、そして術後リハビリが円滑に進められることを目的に介入した。その中で、術後の機能的予後や患者満足度は術前の膝関節伸展筋力と強く関連すると報告されているため、どのような膝伸展筋力運動がより効果的であるかを検討し介入した。
【介入内容と結果】膝関節伸展エクササイズの実施時において、介入開始からX+4週間は従来の大腿四頭筋セッティング運動(C-Ex.)、X+5週から9週までの期間は超音波フィードバック(Ultrasound biofeedback , USBF)を併用した大腿四頭筋セッティング運動(U-Ex.)、X+10週から14週までの期間は神経筋電気刺激(Neuromuscular electrical stimulation : ,NEMS)を併用した大腿四頭筋セッティング運動(N-Ex.)を実施した。介入はいずれの期間も週に2回を2単位、計8回実施した。その結果、C-Ex.期間後の理学療法評価では、右膝関節ROM-t屈曲135°/130°、伸展-5°/-5°、右膝関節筋力は屈曲30Nm、伸展79Nm、VMの筋厚の健側比は90.8% 、TUGは8.90秒15歩、疼痛はNRS 6/10、JKOMは46/125点であった。U-Ex.期間後では、右膝関節ROM-t屈曲140°/135°、伸展0°/-5°、右膝関節筋力は屈曲44Nm、伸展82Nm、VMの筋厚の健側比は105.1% 、TUGは7.90秒14歩、疼痛はNRS 5/10、JKOMは37/125点であった。N-Ex.期間後では、右膝関節ROM-t屈曲140°/135°、伸展0°/-5°、右膝関節筋力は屈曲39Nm、伸展95Nm、VMの筋厚の健側比は115.3% 、TUGは7.70秒15歩、疼痛はNRS 4/10、JKOMは36/125点であった。
【考察】今回、TKA術前である膝OA症例に対し、大腿四頭筋セッティングの方法を工夫しながら介入した。結果、膝関節伸展筋力と関節可動域の改善、VMの筋厚の増加、疼痛の軽減ならびに歩行率の改善を認めた。特に、U-Ex.ならびにN-Ex後では、C-Ex期間よりも更なる筋力の向上やVM筋厚の増加、JKOMの改善を認めた。先行研究においてもUSBFやNEMSを併用した運動には有意な筋力増強を認めたと報告されており、これらの方法を併用したセッティング運動は本症例に対しても有効であったと考えられた。しかし、運動の継続効果であった可能性や、介入の順番による影響なども考えられるため、今後は症例数を増やした介入研究を実施し、どの介入方法が良いかやその適応などを検討したいと考える。
【倫理的配慮、説明と同意】ヘルシンキ宣言に基づき、症例には本発表の趣旨と内容を十分に説明し同意を得た。
【評価とリーズニング】初回介入時、理学療法評価では、右膝関節ROM-t(他動/自動)屈曲130°/125°、伸展-5°/-10°筋力は等尺性筋力測定にて屈曲19Nm、伸展72Nm、内側広筋(VM)の筋厚の健側比は71.4% 、Timed Up and Go test(TUG)は9.31秒16歩、荷重時の疼痛はNRS 7/10、JKOMは48/125点であった。主に長距離歩行や庭掃除などの活動での困難感の訴えを認めた。理学療法介入は、膝関節伸展筋力が向上し疼痛が軽減することで動作能力が改善し、生活動作での困難感の軽減を図ること、そして術後リハビリが円滑に進められることを目的に介入した。その中で、術後の機能的予後や患者満足度は術前の膝関節伸展筋力と強く関連すると報告されているため、どのような膝伸展筋力運動がより効果的であるかを検討し介入した。
【介入内容と結果】膝関節伸展エクササイズの実施時において、介入開始からX+4週間は従来の大腿四頭筋セッティング運動(C-Ex.)、X+5週から9週までの期間は超音波フィードバック(Ultrasound biofeedback , USBF)を併用した大腿四頭筋セッティング運動(U-Ex.)、X+10週から14週までの期間は神経筋電気刺激(Neuromuscular electrical stimulation : ,NEMS)を併用した大腿四頭筋セッティング運動(N-Ex.)を実施した。介入はいずれの期間も週に2回を2単位、計8回実施した。その結果、C-Ex.期間後の理学療法評価では、右膝関節ROM-t屈曲135°/130°、伸展-5°/-5°、右膝関節筋力は屈曲30Nm、伸展79Nm、VMの筋厚の健側比は90.8% 、TUGは8.90秒15歩、疼痛はNRS 6/10、JKOMは46/125点であった。U-Ex.期間後では、右膝関節ROM-t屈曲140°/135°、伸展0°/-5°、右膝関節筋力は屈曲44Nm、伸展82Nm、VMの筋厚の健側比は105.1% 、TUGは7.90秒14歩、疼痛はNRS 5/10、JKOMは37/125点であった。N-Ex.期間後では、右膝関節ROM-t屈曲140°/135°、伸展0°/-5°、右膝関節筋力は屈曲39Nm、伸展95Nm、VMの筋厚の健側比は115.3% 、TUGは7.70秒15歩、疼痛はNRS 4/10、JKOMは36/125点であった。
【考察】今回、TKA術前である膝OA症例に対し、大腿四頭筋セッティングの方法を工夫しながら介入した。結果、膝関節伸展筋力と関節可動域の改善、VMの筋厚の増加、疼痛の軽減ならびに歩行率の改善を認めた。特に、U-Ex.ならびにN-Ex後では、C-Ex期間よりも更なる筋力の向上やVM筋厚の増加、JKOMの改善を認めた。先行研究においてもUSBFやNEMSを併用した運動には有意な筋力増強を認めたと報告されており、これらの方法を併用したセッティング運動は本症例に対しても有効であったと考えられた。しかし、運動の継続効果であった可能性や、介入の順番による影響なども考えられるため、今後は症例数を増やした介入研究を実施し、どの介入方法が良いかやその適応などを検討したいと考える。
【倫理的配慮、説明と同意】ヘルシンキ宣言に基づき、症例には本発表の趣旨と内容を十分に説明し同意を得た。
