講演情報
[KP_15]脳梗塞片麻痺患者に対して二重課題歩行練習を実施し、犬の散歩が可能となった症例
*阪本 彩澄香1、久保田 一誠1、児玉 万実1 (1. 御所南リハビリテーションクリニック)
キーワード:
二重課題歩行、バランス、注意機能
【症例紹介】
本症例は70代男性、右被殻・放線冠の脳梗塞を発症した症例である。X年Y月Z日に脳梗塞と診断され、Z+21日後にリハビリ目的で回復期リハビリテーション病棟へ転院。needsは元の生活に戻ること、hopeは犬の散歩に行きたいであった。Z+61日で屋外歩行を獲得したが、犬の散歩を行うには転倒リスクがあった。その後、二重課題を取り入れた歩行練習を実施し、犬の散歩が可能となった。
【評価とリーズニング】
理学療法評価(初回:Z+21日→中間:Z+61日)FMA-LE:24→32点、10m歩行:不可→10.8秒、TUG(右/左):不可→11.8秒/13.8秒、BBS:35→51点、DGI:不可→14点、CS-30:不可→10回、6分間歩行:不可→240m、TMT(A/B):101 /142→65秒/129秒、MMSE:30→30点
初回時は介助歩行を要したが、中間時には屋外歩行が可能となった。しかし、注意機能障害が残存し見守りが必要であった。また、犬の散歩も困難であった。
【介入内容と結果】
中間評価後の介入として、歩行練習に二重課題を取り入れた。歩行中に掛け声に合わせて頚部の回旋をする、荷物を持つ、常にコミュニケーションを取る、テープを把持しセラピストがランダムに引っ張り外乱刺激を加える事を実施した。理学療法評価(最終:Z+150日)FMA-LE:32点、10m歩行:7.8秒、TUG(右/左):9.1秒/9.1秒、BBS:54点、DGI:22点、CS-30:20回、6分間歩行:335m、TMT(A/B):54秒/74秒、MMSE:30点
最終時は、特にDGI、TMTの成績が上がり、応用歩行の獲得に繋がった。犬の散歩の可否については実環境への不安もあり、同伴者ありで実施することになった。
【考察】
犬の散歩は、歩行能力に加えて周囲環境への注意配分や突発的な刺激への対応など、二重課題処理能力を要する活動である。今回、二重課題を伴う歩行練習を実施し、犬の散歩を行うための能力向上に繋がったと思われるが、どの程度安全で実用的な能力を獲得できたのかは疑問が残る結果となった。評価バッテリーとしてDGI、TMTを使用したが、犬の散歩再開可否の評価はそれだけでは不十分であったと考えられる。理由として、外乱刺激の影響を評価出来ていないこと、DGI、TMT、歩行速度変化など、これらを複合した評価が出来ていないことが挙げられる。これに対して、山田らの考案したTWT(Trail Walking Test)が有用であったと考えられる。TWTを評価バッテリーに組み込むことで犬の散歩再開可否の評価の妥当性が向上し、患者家族の安心につながったのではないかと思われる。
【倫理的配慮、説明と同意】
対象者に個人情報の取り扱いについて説明を行い、同意を得た。倫理的配慮に関しては当院倫理委員会の承認を得た。
本症例は70代男性、右被殻・放線冠の脳梗塞を発症した症例である。X年Y月Z日に脳梗塞と診断され、Z+21日後にリハビリ目的で回復期リハビリテーション病棟へ転院。needsは元の生活に戻ること、hopeは犬の散歩に行きたいであった。Z+61日で屋外歩行を獲得したが、犬の散歩を行うには転倒リスクがあった。その後、二重課題を取り入れた歩行練習を実施し、犬の散歩が可能となった。
【評価とリーズニング】
理学療法評価(初回:Z+21日→中間:Z+61日)FMA-LE:24→32点、10m歩行:不可→10.8秒、TUG(右/左):不可→11.8秒/13.8秒、BBS:35→51点、DGI:不可→14点、CS-30:不可→10回、6分間歩行:不可→240m、TMT(A/B):101 /142→65秒/129秒、MMSE:30→30点
初回時は介助歩行を要したが、中間時には屋外歩行が可能となった。しかし、注意機能障害が残存し見守りが必要であった。また、犬の散歩も困難であった。
【介入内容と結果】
中間評価後の介入として、歩行練習に二重課題を取り入れた。歩行中に掛け声に合わせて頚部の回旋をする、荷物を持つ、常にコミュニケーションを取る、テープを把持しセラピストがランダムに引っ張り外乱刺激を加える事を実施した。理学療法評価(最終:Z+150日)FMA-LE:32点、10m歩行:7.8秒、TUG(右/左):9.1秒/9.1秒、BBS:54点、DGI:22点、CS-30:20回、6分間歩行:335m、TMT(A/B):54秒/74秒、MMSE:30点
最終時は、特にDGI、TMTの成績が上がり、応用歩行の獲得に繋がった。犬の散歩の可否については実環境への不安もあり、同伴者ありで実施することになった。
【考察】
犬の散歩は、歩行能力に加えて周囲環境への注意配分や突発的な刺激への対応など、二重課題処理能力を要する活動である。今回、二重課題を伴う歩行練習を実施し、犬の散歩を行うための能力向上に繋がったと思われるが、どの程度安全で実用的な能力を獲得できたのかは疑問が残る結果となった。評価バッテリーとしてDGI、TMTを使用したが、犬の散歩再開可否の評価はそれだけでは不十分であったと考えられる。理由として、外乱刺激の影響を評価出来ていないこと、DGI、TMT、歩行速度変化など、これらを複合した評価が出来ていないことが挙げられる。これに対して、山田らの考案したTWT(Trail Walking Test)が有用であったと考えられる。TWTを評価バッテリーに組み込むことで犬の散歩再開可否の評価の妥当性が向上し、患者家族の安心につながったのではないかと思われる。
【倫理的配慮、説明と同意】
対象者に個人情報の取り扱いについて説明を行い、同意を得た。倫理的配慮に関しては当院倫理委員会の承認を得た。
