大会長挨拶
第94回日本寄生虫学会大会開催にあたって
第94回日本寄生虫学会大会
大会長 岩永 史朗
大阪大学 微生物病研究所
分子原虫学分野 教授
第94回日本寄生虫学会大会を令和7年3月18日(火)から19日(水)までの2日間、大阪大学吹田キャンパス内の大阪大学コンベンションセンターを会場として開催いたします。前回に引き続き、現地対面での開催とし、すべての発表をオーラルで行います。
寄生虫による感染症はウイルス性・細菌性感染症と比較し、我が国をはじめとする先進国での流行は少なく、多くは途上国において問題となっています。先進国内での緊急度の低さから、研究のアクティビティはウイルス・細菌研究よりも低下する傾向にあるのが現状です。一方で、寄生虫疾患は有効なワクチンや治療薬の開発が遅れており、その推進は国際的な公衆衛生上、重要な課題となっています。我々、寄生虫学研究者がこの状況においてできることは自身の研究を止めることなく、着実に成果を積み上げていくことだと思います。また、その研究活動を通じ、少しで多くの若い人たちに寄生虫研究に興味を持ってもらい、その重要性・研究の醍醐味を伝えていくことだと思います。全国大会は研究をより良いものとするための発表・議論の場、また学部生・大学院生の初めての成果発表の舞台となります。運営スタッフ一同、寄生虫学研究の継続と発展に少しでも貢献できれば光栄に思います。