講演情報
[III-P02-1-06]肺動脈弁欠損合併ファロー四徴症に対する術式と遠隔期成績
○鳥羽 修平1,2, 原田 雄章1, 永瀬 晴啓1, 松田 健作1, 鹿子島 成充1, 中野 俊秀1 (1.福岡市立こども病院 心臓血管外科, 2.三重大学大学院医学系研究科 胸部心臓血管外科)
キーワード:
ファロー四徴症、肺動脈弁欠損、遠隔期成績
【背景】
肺動脈弁欠損合併ファロー四徴症(TOF/APV)は肺動脈拡張と気道狭窄を特徴とし独自の経過を辿るが、そのまとまった報告は限られている。本研究ではTOF/APVの治療戦略の検討を目的とし、その長期遠隔期成績を調査した。
【対象と方法】
1980年から2024年に当院で初回手術を施行されたTOF/APV症例について後方視的に検討した。
【結果】
対象期間におけるTOF症例1,217例のうち、TOF/APVは35例(2.9%、うち男児31%)であった。術前に有意な気道狭窄(有症状または無気肺)を認めた症例は11例(31%)、術前に気管挿管を要した症例は10例(29%)、緊急・準緊急手術は10例(29%)であった。初回介入時の月齢は中央値6.0か月(IQR, 1.6-12.8か月)で、術式は姑息術3例(姑息的右室流出路再建および肺動脈縫縮術1例、Blalock-Taussig変法手術および肺動脈結紮術1例、肺動脈絞扼術および肺動脈縫縮術1例;うち2例がそれぞれ11、18か月後に心内修復術到達)、心内修復術32例(うちRastelli手術20例、trans annular patch 12例、併施術式は肺動脈縫縮術32例、肺動脈/graft/大動脈吊り上げ術8例、気管外ステント1例)であった。追跡期間中央値12.0年(IQR, 4.4-17.2年)において、手術死亡2例、遠隔期死亡5例(うち術後半年以内の死亡が4例)、10年累積生存率80%、死因は呼吸器感染2例、LOS 2例、原因不明の突然死2例、不詳1例であった。再手術は導管交換手術10例、肺動脈弁置換術4例が最も多く、気道狭窄に対する予定外の再手術は3例(肺動脈縫縮術2例、大動脈・肺動脈吊り上げ術1例、気管外ステント2例、いずれも乳児期)であった。
【結語】
TOF/APVの治療成績を後方視的に検討した。気道狭窄に対する早期介入や、術後の慎重な経過観察の重要性が示唆された。
肺動脈弁欠損合併ファロー四徴症(TOF/APV)は肺動脈拡張と気道狭窄を特徴とし独自の経過を辿るが、そのまとまった報告は限られている。本研究ではTOF/APVの治療戦略の検討を目的とし、その長期遠隔期成績を調査した。
【対象と方法】
1980年から2024年に当院で初回手術を施行されたTOF/APV症例について後方視的に検討した。
【結果】
対象期間におけるTOF症例1,217例のうち、TOF/APVは35例(2.9%、うち男児31%)であった。術前に有意な気道狭窄(有症状または無気肺)を認めた症例は11例(31%)、術前に気管挿管を要した症例は10例(29%)、緊急・準緊急手術は10例(29%)であった。初回介入時の月齢は中央値6.0か月(IQR, 1.6-12.8か月)で、術式は姑息術3例(姑息的右室流出路再建および肺動脈縫縮術1例、Blalock-Taussig変法手術および肺動脈結紮術1例、肺動脈絞扼術および肺動脈縫縮術1例;うち2例がそれぞれ11、18か月後に心内修復術到達)、心内修復術32例(うちRastelli手術20例、trans annular patch 12例、併施術式は肺動脈縫縮術32例、肺動脈/graft/大動脈吊り上げ術8例、気管外ステント1例)であった。追跡期間中央値12.0年(IQR, 4.4-17.2年)において、手術死亡2例、遠隔期死亡5例(うち術後半年以内の死亡が4例)、10年累積生存率80%、死因は呼吸器感染2例、LOS 2例、原因不明の突然死2例、不詳1例であった。再手術は導管交換手術10例、肺動脈弁置換術4例が最も多く、気道狭窄に対する予定外の再手術は3例(肺動脈縫縮術2例、大動脈・肺動脈吊り上げ術1例、気管外ステント2例、いずれも乳児期)であった。
【結語】
TOF/APVの治療成績を後方視的に検討した。気道狭窄に対する早期介入や、術後の慎重な経過観察の重要性が示唆された。