講演情報
[III-P03-2-07]ECMO 導入で救命できた新生児劇症型心筋炎の1例
○大軒 健彦1, 川合 英一郎1, 八木 耕平1, 新田 恩1, 小澤 晃1,3, 熊江 優2, 帯刀 英樹2, 崔 禎浩2, 小泉 沢3 (1.宮城県立こども病院 循環器科, 2.宮城県立こども病院 心臓血管外科, 3.宮城県立こども病院 集中治療科)
キーワード:
ECMO、心筋炎、新生児
症例は日齢37の男児。妊娠経過に異常はなく、在胎40週、体重3960g、児頭骨盤不均衡のため帝王切開で出生。発症当日に1か月健診を受け異常の指摘はなかった。夕方に啼泣時にチアノーゼが出現したため、約2時間後に1次救急病院を受診した。SpO2 70%台と高度のチアノーゼおよび、活気不良、CRT延長を伴う循環不全を認め、直ちに隣接する2-3次救急病院へ搬送された。心エコーで高度の心収縮低下を認め心原性ショックと判断され、当院 PICU へ連絡。搬送受け入れと同時に ECMO導入の準備を進めた。1次救急受診から約4時間後に当院着、非代償性の心原性ショックと評価し直ちに ECMO導入を決定、1時間半程度で開胸下に ECMOを開始できた。心収縮の改善が悪くECMO 6日目に LV ventを追加、同時に心移植登録の可能性を考慮して他院搬送の検討も進めたが、その後心収縮の改善を認めECMO 9日目に離脱できた。全身状態の回復に時間を要したが、循環は安定、約2ヶ月で自宅退院した。1次医療機関での覚知から最小限の時間で当院まで搬送され、ECMO導入できたことが児の救命に繋がったと考えられる。一方、今後の管理では、LV vent 開始のタイミングの検討、搬送を要する場合の方法が課題である。