セッション詳細

【オンデマンドシンポジウム17】多様化する通いの場:地域を元気にする戦略的展開とその支援

座長:岸 恵美子(東京医療保健大学・東が丘看護学部)
   陣内 裕成(日本医科大学・医学部)
2019 年の「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会取りまとめ」では、多様な通いの場の展開の推進として、行政部局横断の取組や、民間・医療・介護施設等による自主的な活動、多世代交流、有償ボランティア、防災・見守り活動なども含まれることが示された。これは、単に高齢者の通いの場を多様化・多拠点化することを目指しているのではなく、自治体や地域の特性に合わせた戦略的な展開を期待したメッセージと捉える必要がある。また、通いの場は、しばしば元気高齢者の健康維持のための場と捉えられる傾向にあるが、「何らかの支援が必要でも参加し続けられる、もしくは新たに参加できる選択肢」でもある。つまり、①健康づくりや介護予防という側面と、②参加継続や生活支援、見守りという共生の側面からの展開が、通いの場に期待されている。なお、行政が主催するだけでなく、住民とともに、住民の力を活かしながら住民主体の展開が、通いの場の推進の機軸であることは、2019 年以前と変わらない。
 このような背景を理解した上で、各自治体には地域資源や特性を活かした地域課題の解決につながる通いの場の展開戦略を考え、住民を中心とした通いの場の運営主体を支援していくことが求められている。しかし、通いの場の戦略的な展開の考え方やその手法については確立しておらず、自治体単位での模索が続けられているのが現状であり、十分な議論は行われていない。
 本シンポジウムでは、最初に多様な通いの場に関する「概念と類型および戦略的な展開の考え方」として、通いの場の捉え方や戦略的な通いの場の展開の概論を共有する。その後、「立ち上げ・継続支援に関する住民のニーズ」として、通いの場を運営している住民が立ち上げ、継続、拡大等の各場面で必要と考えている支援ニーズに関する調査結果からの考察、「通いの場の担い手の発掘や役割のとらえ方」として、通いの場の担い手が、担い手となったプロセス等についての調査結果からの考察を紹介する。最後に「活動の把握と戦略的な展開の実践」として、自治体としての戦略的な通いの場推進の取組を紹介し、自治体による戦略的な通いの場の展開や、住民に対する支援策の実践に向けて議論を深めたい。

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[オンデマンドシンポジウム17-1]多様な通いの場の概念整理-活動の主目的によるタイプ分類の視点からー

*植田 拓也1 (1. 東京都健康長寿医療センター研究所 東京都介護予防・フレイル予防推進支援センター)

[オンデマンドシンポジウム17-3]多様な通いの場の担い手発掘戦略―タイプ別の担い手特性から―

*中本 五鈴1 (1. 東京都健康長寿医療センター研究所・東京都介護予防・フレイル予防推進支援センター)

[オンデマンドシンポジウム17-4]多様な通いの場の支援の実践

*三澤 未佳1 (1. 都留市役所 福祉保健部 長寿介護課)