セッション詳細
【シンポジウム6】自治体で検討すべき超高齢社会での高齢者肺炎のマネジメントの重要性
2025年10月29日(水) 11:15 〜 12:45
第3会場 (会議ホール:11階)
座長:角野 文彦(びわこリハビリテーション専門職大学)
福島 若葉(大阪公立大学大学院医学研究科公衆衛生学)
指定発言者:白井 千香(枚方市保健所)
福島 若葉(大阪公立大学大学院医学研究科公衆衛生学)
指定発言者:白井 千香(枚方市保健所)
わが国の総人口に占める高齢者人口の割合の推移は、1950年(4.9%)以降一貫して上昇が続いており、2005年に20%を超え、2024年は29.3%と過去最高を更新した。総人口(2024年9月15日現在推計)は、前年に比べ59万人減少している一方で65歳以上の人口は2万人増加して3625万人と過去最高となり「超高齢社会」に突入している。健康上の問題で日常生活に制限のない期間(健康寿命)は、2023年時点で男性が72.57歳、女性が75.45歳となっており、それぞれ2010年の男性70.42歳、女性73.62歳と比べて延びている。
さらに、同期間における健康寿命の延びは、平均寿命の延び(2010年(男性79.55歳、女性86.30歳)→2023年(男性81.05歳、女性87.09歳、伸び年数(男性1.5年、女性0.79年)を上回っており、確実に高齢者における健康への意識が高まっていると共に今までの医療行政の取り組みが成果に結びついていると考えられる。
一方で、厚生労働省が2024年に発表した人口動態統計月報年計(確定数)の概況によると、特に高齢者人口が高まることと連動して、2022年の全死亡数は約156.9万人、2023年は約157.6万人と死亡数実数も増加している。
その死因の内訳として、わが国において肺炎は4.8%で5位、誤嚥性肺炎は3.8%で6位、合計すると8.6%となり、4位の脳血管疾患の6.6%を超えて3位となる。また肺炎の95%以上が65歳以上の高齢者が占めているとの報告もあり、わが国における肺炎予防は健康寿命の更なる延伸だけでなく、医療費に与える影響の観点からも、大変重要な課題である。
また、経済財政運営と改革の基本方針2024~賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現~いわゆる2024年の政府骨太の方針において、予防接種法に基づくワクチン接種を始めとした肺炎等の感染症対策の推進を図ることが掲げられており、肺炎の予防政策の重要性が謳われているところである。
この様な背景から今回は、高齢者肺炎の現状分析を基に、高齢者肺炎の予防に向け、誤嚥性肺炎の予防では口腔ケアの重要性を、そして肺炎の予防では肺炎球菌ワクチンの接種の重要性をテーマに、わが国が直面している高齢者の肺炎予防のマネジメントについて検討したい。
さらに、同期間における健康寿命の延びは、平均寿命の延び(2010年(男性79.55歳、女性86.30歳)→2023年(男性81.05歳、女性87.09歳、伸び年数(男性1.5年、女性0.79年)を上回っており、確実に高齢者における健康への意識が高まっていると共に今までの医療行政の取り組みが成果に結びついていると考えられる。
一方で、厚生労働省が2024年に発表した人口動態統計月報年計(確定数)の概況によると、特に高齢者人口が高まることと連動して、2022年の全死亡数は約156.9万人、2023年は約157.6万人と死亡数実数も増加している。
その死因の内訳として、わが国において肺炎は4.8%で5位、誤嚥性肺炎は3.8%で6位、合計すると8.6%となり、4位の脳血管疾患の6.6%を超えて3位となる。また肺炎の95%以上が65歳以上の高齢者が占めているとの報告もあり、わが国における肺炎予防は健康寿命の更なる延伸だけでなく、医療費に与える影響の観点からも、大変重要な課題である。
また、経済財政運営と改革の基本方針2024~賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現~いわゆる2024年の政府骨太の方針において、予防接種法に基づくワクチン接種を始めとした肺炎等の感染症対策の推進を図ることが掲げられており、肺炎の予防政策の重要性が謳われているところである。
この様な背景から今回は、高齢者肺炎の現状分析を基に、高齢者肺炎の予防に向け、誤嚥性肺炎の予防では口腔ケアの重要性を、そして肺炎の予防では肺炎球菌ワクチンの接種の重要性をテーマに、わが国が直面している高齢者の肺炎予防のマネジメントについて検討したい。
[シンポジウム6-1]超高齢社会における高齢者肺炎の予防戦略と統合的ケアモデルの提案
*山本 寛 (地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 呼吸器内科)
[シンポジウム6-2]誤嚥性肺炎の予後を分ける口腔ケア・口腔健康管理の重要性
*今井 健一 (日本大学歯学部 感染症免疫学)
[シンポジウム6-3]自治体基盤ワクチンデータベースを用いた高齢者肺炎の疾病負荷とワクチンの有効性
*福田 治久 (九州大学大学院医学研究院)
[シンポジウム6-4]超高齢社会における肺炎予防 ~最新知見に基づく肺炎球菌ワクチンを中心とした統合的戦略~
*中島 啓 (医療法人鉄蕉会亀田総合病院呼吸器内科)
