セッション詳細

【シンポジウム15】ロジックモデルと指標を活用した医療福祉計画評価~取組例から見る定着への道筋~

2025年10月29日(水) 14:10 〜 15:40
第5会場 (1001-1)
座長:今村 知明(奈良県立医科大学)
   埴岡 健一(国際医療福祉大学大学院)
指定発言者:大井 久美子(厚生労働省 健康・生活衛生局 がん・疾病対策課)
      長浜 麻紀子(沖縄県 保健医療介護部 医療政策課)
【背景】2024年度に都道府県は第8次保健医療計画(および関連性の高い「がん対策推進計画」「循環器病対策推進計画」)を開始した。第7次では、ロジックモデル(政策目的と施策・事業の論理構造図)を活用するのはごく一部の都道府県であったが、今期は多くの都道府県に広がった。今後、ロジックモデルの活用により政策のPDCAサイクルがより円滑に回り、政策効果が高まっていくことが期待される。来年度は、医療計画の中間評価年度であり、今学会が開催される2025年秋は、第8次医療計画の策定状況を振り返り、中間評価をどのように行うかを検討し、計画後半をどのように進めていくかを考える絶好のタイミングに当たる。
【課題】第8次計画にロジックモデルを導入したのはまだ半数程度に過ぎず、ロジックモデルの要素の欠落、あるいはつながりの不明確さなどの点で、整合性が低い例がみられる。さらには、ロジックモデルを導入した自治体であっても、ロジックモデルを活用してどのように評価をしていくかについては計画文内に具体的に記載されていることは少ないのが現状である。ロジックモデルをさらに普及させると同時に、ロジックモデルを活用した評価をどのように行うか、理解を深めることが目下の課題と考えられる。
【目的】ロジックモデルと指標を活用した医療計画の評価のあり方と定着への道筋を検討し共有することを目的とする。
【方法】3つの先行事例と、医療計画評価ガイドブック作成の取り組みに関する講演を聞き、その後、演者と来場者の間でディスカッションを行う。
【内容の概要】①まず、精神保健福祉分野におけるアカデミアと行政が連携したロジックモデルと指標開発に関する解説を聞き、今後の整備の方向を理解する。②次に、京都府保健医療計画の策定及び進捗管理の実践例から、進め方のポイントや評価に向けた課題を把握する。③さらに、沖縄県の介護保険事業支援計画策定に向け、市町村研修・ワークショップで標準的ロジックモデル作成や評価指標検討に取り組む事例から、医療計画以外への広がりを展望する。④最後に、ロジックモデルを活用した評価を各地域で行う際に活用するために策定されたガイドブックの内容を共有する。⑤その後、演者の発表を踏まえ、各地域でよりよい計画の策定評価が実践されるよう、多様な立場の来場者の方々と共に意見交換を行う。

[シンポジウム15-1]市町村における「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築」にロジックモデルを活かす

*黒田 直明 (国立精神・神経医療研究センター)

[シンポジウム15-2]京都府保健医療計画におけるロジックモデル活用の取組

*石田 真一郎 (京都府健康福祉部健康福祉総務課)

[シンポジウム15-3]地域包括ケアシステム分野におけるロジックモデル活用に向けた取り組み

*高嶺 公子 (沖縄県保健医療介護部地域包括ケア推進課)

[シンポジウム15-4]地域でのロジックモデルを活用した評価を支援するガイドブック・ツール類

*吉田 真季、松本 佳子 (一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構)