セッション詳細

【シンポジウム18】小規模自治体における持続可能な高齢者にやさしいまちづくりのエビデンスと実践

2025年10月29日(水) 11:20 〜 12:50
第6会場 (908)
座長:辻 大士(筑波大学)
   鄭 丞媛(新見公立大学)
指定発言者:木村 美也子(昭和女子大学)
急速に進む高齢化に対し、2007年に世界保健機関は“Age-friendly city(AFC:高齢者にやさしいまち)”の概念を提唱した。さらに、国際連合の“Decade of Healthy Ageing (2021–2030)”では、持続可能な開発目標に沿ったAFCの更なる推進が求められている。AFCでは、これまで世界各国よりエビデンスや事例が報告されているが、マンチェスター、オタワなどの大規模な都市部での事例が多く、今後、特に持続可能性が問われる小規模な自治体での事例が不足している。
我々は、これまで要介護認定を受けていない高齢者を対象とした介護予防・日常生活圏域ニーズ調査をベースとした日本老年学的評価研究(JAGES)のデータを活用し、AFCのコア指標である社会環境、物理環境、行政サービスに関するエビデンスや地域づくりの実践事例を報告してきた。本シンポジウムでは、小規模自治体に焦点をあて、持続可能なAFCづくりについてのヒントを得ることを目的とする。まず、千葉大学の2人の研究者に登壇いただき、井手氏には、社会環境や行政サービス、花里氏には、物理環境を中心にAFCの最新のエビデンスについて整理いただく。次に、22市町がAFCに参加している神奈川県の曽我部氏、WHO協力センターに指定された神奈川県立大学の熊澤氏より、市町村の取組や多機関連携について紹介いただく。最後に、本大会の地元、静岡県下でお達者年齢(0歳からの平均自立期間)が上位の森町に、高齢になっても住みやすいまちづくりの取り組みとして、住民が自分事として考え主体的に実践できるようなアプローチ方法や、住民と役割分担をして一緒に楽しみながら取り組んでいく工夫についてお話いただく。
本シンポジウムの総合討論では、指定討論者に木村氏(昭和女子大学)を迎え、フロアのみなさんとともに研究者、自治体、それぞれの目線から議論し、世界で最も高齢化が進む日本だからこそ、発信できる持続可能なAFCに関するエビデンスと実践について考える機会としたい。

[シンポジウム18-1]高齢者にやさしい社会環境に関するエビデンスと実践

*井手 一茂 (千葉大学予防医学センター健康まちづくり共同研究部門)

[シンポジウム18-2]高齢者にやさしいまちにおける物理環境のエビデンスとデザイン

*花里 真道 (千葉大学予防医学センター 健康都市・空間デザイン学)

[シンポジウム18-3]神奈川県における高齢者に優しい地域づくりに向けた取組と多機関連携

*曽我部 勇貴1、*熊澤 大輔2 (1. 神奈川県いのち・未来戦略本部室国際戦略グループ,2. 神奈川県立保健福祉大学イノベーション政策研究センター)

[シンポジウム18-4]高齢になっても住みやすい森町を目指して

*内山 紗央里 (森町福祉課地域包括支援センター係)