セッション詳細

【シンポジウム41】健康危機管理の人材育成:キャパシティビルディングとキャリアパス

2025年10月30日(木) 16:20 〜 17:50
第4会場 (1001-2)
座長:今中 雄一(京都大学 大学院医学研究科 ヘルスセキュリティセンター 健康危機管理システム学分野/社会健康医学系専攻 医療経済学分野)
   近藤 久禎(国立健康危機管理研究機構(JIHS)/厚生労働省 DMAT事務局)
指定発言者:冨尾 淳(国立保健医療科学院 健康危機管理研究部)
近年、自然災害、地震、感染症蔓延などの健康危機事象への対応ニーズは益々大きくなってきており、健康危機管理における人材育成の拡充は必至である。社会医学系専門医制度は2017年の設立時から健康危機管理を必須の基本プログラムに位置付け、医学コアカリキュラムでも健康危機管理が2022年度改訂で明示され、欧州公衆衛生大学院協議会とWHO欧州の公衆衛生コアコンピテンシーでも2024年に健康危機管理が追加された。現在、我が国では学会や行政機関等により以下のような有力な研修プログラムが展開している。
 JIHS(国立健康危機管理研究機構)の厚生労働省DMAT事務局では、災害時の対応に加え、全国のDMAT隊員の育成を担い、さらには2年間の災害等危機管理専門家養成コース(CMTP)を開始している。DMAT事務局次長の近藤久禎先生より解説される。
 日本災害医学会BHELPコースは地域の避難生活支援の専門職等の研修であり、次第に多くの保健医療者等が受講するようになっている。日本災害医学会担当理事で防災庁設置準備アドバイザー会議副主査の石井恵美子先生より解説される。
 地域行政では、災害時のDHEAT、感染症蔓延時IHEATといった保健医療職等による健康危機管理の支援チームを形成し危機対応の最前線に立つ。人材確保・育成を含む対応計画も作られる。全国保健所長会 会長の藤田利枝先生より解説される。
 厚生労働省では、感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラムを有し、JIHS/国立感染研究所では長年、実地疫学専門家養成コース(FETP)を実施し、厚労省委託の感染症危機管理リーダーシップ研修(ICDL)も始動した。JIHS危機管理・運営局企画調整部長(厚生労働省参与)の野田博之先生より解説される。
 指定発言者として、国立保健医療科学院 健康危機管理研究部 部長の冨尾淳先生より、総括的・解説的なコメントをいただく。
 アカデミアでもいくつかの大学で精力的に人材育成が展開されており、京都大学でも2024年にヘルスセキュリティセンターが設立され領域横断的に協働し専門人材の育成が目指されている。
 公衆衛生・保健医療の視点から、人材育成の内容、方法、最先端の取組み等を話し合いながら、力量の涵養方法、キャリアパス、一層の展開や普及、今後に向けての提言を議論する。

[シンポジウム41-1]DMAT事務局における災害等危機管理専門家養成コース(Crisis Management Training Program:CMTP)について

*近藤 久禎 (国立健康危機管理研究機構DMAT事務局)

[シンポジウム41-2]健康危機管理の人材育成とキャリアパス―BHELP標準コースによる人材育成の取組みについて―

*石井 美恵子 (国際医療福祉大学大学院 災害医療分野/災害保健医療研究センター)

[シンポジウム41-3]人ごとにさせない、産学官連携での健康危機管理。~DHEAT/IHEATの育成~

*藤田 利枝 (全国保健所長会/久留米市保健所)

[シンポジウム41-4]感染症危機管理専門家の育成と国立健康危機管理研究機構

*野田 博之1,2 (1. 厚生労働省健康・生活衛生局,2. 国立健康危機管理研究機構)