セッション詳細

【シンポジウム51】第4期から導入されたアウトカム評価の達成に効果的な特定保健指導法のエビデンス

2025年10月30日(木) 15:00 〜 16:30
第7会場 (映像ホール:2階)
座長:月野木 ルミ(東京科学大学保健衛生学研究科 公衆衛生看護学分野)
   岡村 智教(慶應義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学)
指定発言者:渡井 いずみ(浜松医科大学 医学部看護学科 地域看護学講座)
2024年度より第4期特定健康診査・特定保健指導では、腹囲-2cm、体重-2kgを主要達成項目とするアウトカム評価が導入された。短期間で目標を達成する事例では保健指導者の負担軽減や医療費削減が期待されるが、達成可能な保健指導法のエビデンスは不足している。また、各保険者ではアウトカム評価が達成しやすい保健指導法の整理、ICTの積極的活用への戸惑いなどがあると推察される。
 本シンポジウムでは、まず厚生労働省保健指導室 後藤友美先生が第4期特定健康診査・特定保健指導の制度概要と現状について解説する。次に、座長も班員である厚生労働科学研究班(24FA1013、25FA1001:研究代表者月野木ルミ)でこれまで明らかにした成果を紹介する。具体的には、全国協会けんぽの特定健康診査・特定保健指導データに基づき、①アウトカム評価を達成しやすい対象者の特性、②達成につながる生活習慣改善目標に関する知見を、東京科学大学 安齋達彦先生が紹介する。次に、全国の国保、全国健康保険協会(協会けんぽ)支部、総合健康保険組合(総合健保)、単一健保(または企業)などに所属する保健師と管理栄養士24名を対象としたフォーカスグループインタビューの結果から導かれた第4期特定保健指導のアウトカム評価達成に効果的な保健指導法について、淑徳大学 坂口景子先生が紹介する。
 シンポジストとフロアとの議論の冒頭では、紹介した厚労省からの現状説明、特定保健指導に関する2つのエビデンスの知見を踏まえ、効果的な特定保健指導の今後の方向性について、浜松医科大学 渡井いずみ先生に指定発言頂く予定としている。本シンポジウムは、厚労省、第4期特定健康診査・特定保健指導の策定に関わった公衆衛生専門家、研究者、実践家との積極的な議論を通して、科学的エビデンスに基づく効果的な特定保健指導の現状と今後の方向性を整理することを目指したい。

[シンポジウム51-1]第4期特定健康診査・特定保健指導の概要と現状

*後藤 友美 (厚生労働省健康・生活衛生局健康課保健指導室)

[シンポジウム51-2]特定保健指導のアウトカム評価達成と対象者特性・生活習慣改善目標の同定:全国健康保険協会データの解析

*安齋 達彦1、月野木 ルミ2、岡村 智教3 (1. 東京科学大学 総合研究院 M&Dデータ科学センター 生物統計学分野,2. 東京科学大学 医学部 公衆衛生看護学分野,3. 慶應義塾大学 医学部 衛生学公衆衛生学)