セッション詳細
【ランチョンセミナー8】避妊法の選択と避妊指導の実際
2025年10月31日(金) 12:25 〜 13:25
第1会場 (中ホール:1階)
座長:杉村 由香理(日本家族計画協会)
演者:北村 邦夫(日本家族計画協会)
共催:あすか製薬株式会社
演者:北村 邦夫(日本家族計画協会)
共催:あすか製薬株式会社
わが国における避妊法の選択肢は近年大きく変化しつつある。私どもは2002年より全国規模で「男女の生活と意識に関する調査」を継続しており、2023年には第9回調査を終えている。本調査は層化二段無作為抽出法により16~49歳の全国男女3,000人を抽出し、郵送法(WEB併用)にて行い、793名(男性339名、女性454名)から回答を得た。「現在避妊をしている」と回答した割合は男性52.0%、女性46.0%であった。女性の主な避妊法はコンドーム(86.4%)が最多であり、2002年以降第二位であった腟外射精は2023年に第三位(13.0%)へ低下し、低用量経口避妊薬(ピル)や保険適応を有する低用量ホルモン剤が16.0%と増加し第二位を占めた。女性がピルを選択・希望する理由としては「月経困難症や貧血改善などの副効用」が51.6%と最多であり、一方で「副作用が心配」が41.6%を占めた。従来、配合剤ピルでは血栓塞栓症リスクが懸念されてきたが、2025年に我が国初のプロゲスチン単剤経口避妊薬(「スリンダ錠28」)が承認・発売され、エストロゲンを含まない新たな選択肢が加わったことは大きな進展である。
本講演では、各種避妊法の避妊効果・安全性・副作用等を整理し、思春期、性成熟期、産後、更年期といったライフステージごとの指導の実際を提示する。また、性感染症予防と避妊を同時に考える“Dual Protection(二重防御)”の重要性に言及するとともに、近年議論の高まる緊急避妊薬のOTC化(薬局販売)について、正しい情報提供とアクセス確保の観点から課題を検討する。さらに、国際的に推奨される避妊指導の枠組み「GATHER法(Greet, Ask, Tell, Help, Explain, Return for follow-up)」を紹介し、地域での実践的支援の有効性を示したい。
本講演が、わが国における避妊支援の質を高め、女性一人ひとりの主体的な選択を尊重するセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの実現に寄与することを期待する。
【略歴】
1978年自治医科大学を一期生として卒業後、群馬県庁に在籍するかたわら、群馬大学医学部産科婦人科教室で臨床を学ぶ。1988年から日本家族計画協会クリニック所長。現在一般社団法人日本家族計画協会会長、日本思春期学会名誉会員、日本母性衛生学会名誉会員など。著書には「ピル」(集英社新書)、「セックス嫌いな若者たち」(メディアファクトリー新書)など多数。2008年2月26日にはヘルシー・ソサエティ賞を、2014年10月7日には第66回保健文化賞を受賞。翌日8日には、皇居において天皇皇后両陛下の拝謁を賜った。
本講演では、各種避妊法の避妊効果・安全性・副作用等を整理し、思春期、性成熟期、産後、更年期といったライフステージごとの指導の実際を提示する。また、性感染症予防と避妊を同時に考える“Dual Protection(二重防御)”の重要性に言及するとともに、近年議論の高まる緊急避妊薬のOTC化(薬局販売)について、正しい情報提供とアクセス確保の観点から課題を検討する。さらに、国際的に推奨される避妊指導の枠組み「GATHER法(Greet, Ask, Tell, Help, Explain, Return for follow-up)」を紹介し、地域での実践的支援の有効性を示したい。
本講演が、わが国における避妊支援の質を高め、女性一人ひとりの主体的な選択を尊重するセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの実現に寄与することを期待する。
【略歴】
1978年自治医科大学を一期生として卒業後、群馬県庁に在籍するかたわら、群馬大学医学部産科婦人科教室で臨床を学ぶ。1988年から日本家族計画協会クリニック所長。現在一般社団法人日本家族計画協会会長、日本思春期学会名誉会員、日本母性衛生学会名誉会員など。著書には「ピル」(集英社新書)、「セックス嫌いな若者たち」(メディアファクトリー新書)など多数。2008年2月26日にはヘルシー・ソサエティ賞を、2014年10月7日には第66回保健文化賞を受賞。翌日8日には、皇居において天皇皇后両陛下の拝謁を賜った。
