セッション詳細

【シンポジウム53】複数災害に備えたフェーズフリーの広域災害対応

2025年10月31日(金) 10:30 〜 12:00
第1会場 (中ホール:1階)
座長:奥田 博子(国立保健医療科学院)
   大森 純子(聖路加国際大学)
近年、世界的な規模の異常気象の発生頻度が増加し、連日のように、世界の各地において災害がもたらした惨状の映像を目の当たりにするようになっている。このような災害による被害は、国内においても例外ではなく、防災対策は喫緊の課題である。そこで、日本公衆衛生学会「災害・緊急時公衆衛生活動委員会」(委員長:安村誠司教授)では、これまでにも総会開催地の地域特性を考慮したシンポジウムを企画してきた。
本年の総会開催地である静岡県は、南海トラフ地震(地震災害)や、富士山噴火(火山災害)、さらに、これらの複合災害などが危惧され、全国の中でも、従来より防災対策に継続的に取り組みがなされている自治体のひとつである。災害に備えた平時の対策には、ハザードの想定、責任の所在や役割を明確にした地域防災計画、訓練や備蓄など、防災部局が中心となる所謂防災対策の強化がある。一方、災害発生に備えた対策を平時から行うという非常と日常を分ける発想ではなく、日常の地域の活動を災害時も役立つものにする“フェーズフリー”という考え方が注目され、本総会のサブテーマとなっている。
本シンポジウムでは、複数県に被害をもたらす可能性の高い災害等について静岡県における防災対策の変遷とその特徴について静岡大学防災総合センターの岩田孝仁氏に、現在の取組について静岡県危機管理部の油井里美氏に、火山災害対策について国の立場から内閣府(防災担当)・企画官の五十嵐洋輔氏に、公衆衛生の立場から、防災対策の歴史を関西大学社会安全学部の高鳥毛敏雄氏に講演を頂く。多様な専門家の立場から、知見を得て、各々の地域でのフェーズフリーへのヒントを得る機会となるディスカッションを期待している。

[シンポジウム53-1]静岡県における現在までの防災対策の取組について

*岩田 孝仁 (静岡大学・防災総合センター)

[シンポジウム53-2]静岡県における現在の防災対策について

*油井 里美 (静岡県)

[シンポジウム53-3]我が国における火山噴火災害対策等の取組について

*五十嵐 洋輔 (内閣府(防災担当))

[シンポジウム53-4]災害時の被災者の健康支援活動の到達点と課題

*高鳥毛 敏雄 (関西大学社会安全学部・社会安全研究科)