セッション詳細

【シンポジウム74】食環境づくりの推進を通じた減塩の取組がもたらす公衆衛生学的・医療経済学的効果

2025年10月31日(金) 10:50 〜 12:20
第7会場 (映像ホール:2階)
座長:三浦 克之(滋賀医科大学)
   杉山 雄大(国立健康危機管理研究機構)
日本人の食塩摂取量は長期的に減少傾向にあるが、依然として高水準である。厚生労働省では、「健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ」により、食品関連事業者が自主的に減塩目標を設定し、産学官が連携する取組を推進している。そのような取組に科学的根拠を提供するため、令和5年度から3年間の計画で厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)「食環境づくりの推進を通じた減塩の取組がもたらす公衆衛生学的効果及び医療経済学的効果を推定するための研究」が実施されている。本研究は、減塩の公衆衛生学的・医療経済学的効果をシミュレーションで推定し、事業者や自治体に具体的な方策を示すことを目的とする。具体的には、食品関連事業者の減塩目標設定と取組に関するレビュー、事業者向け支援ガイドの作成、食環境づくりを通じた減塩の効果に関するシミュレーションモデルと都道府県向けモデル活用ガイドの作成を進めている。本研究により、食環境戦略イニシアチブへの科学的根拠の活用、事業者の自主的な減塩推進、都道府県の分野横断的な減塩戦略の立案・実施、持続可能な地域社会の実現、日本型モデルの海外発信が期待されている。
本セッションは、座長も含めて本研究班に参加する研究者で構成する。まず、研究代表者の池田奈由先生が本研究班の全体の計画とこれまでの進捗状況の概要を説明する。次に、研究分担者(以下、同じ)の樫野いく子先生が海外における食品事業者向けの減塩ガイダンスについてスコーピングレビューを行った結果を紹介する。続けて、山口美輪先生が食品関連事業者の減塩の目標設定と取組に関する文献レビュー結果を紹介するとともに、食品関連事業者のための製品の減塩ガイドについて説明する。最後に、西信雄先生が減塩の効果に関する都道府県版シミュレーションモデルの概要について説明する。本セッションが、食環境づくりの推進を通じた減塩の取組がもたらす公衆衛生学的効果及び医療経済学的効果について皆様が理解を深める機会となれば幸いである。

[シンポジウム74-1]食環境づくりの推進を通じた減塩の取組がもたらす公衆衛生学的・医療経済学的効果

*池田 奈由 (国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 栄養疫学・政策研究センター)

[シンポジウム74-2]事業者向け減塩ガイダンス作成に向けて:スコーピングレビュー

*樫野 いく子 (甲子園大学 栄養学部・栄養学科)

[シンポジウム74-3]食品関連事業者の減塩目標設定と取組に関するレビューと事業者向け支援ガイドの作成

*山口 美輪 (立命館大学 食マネジメント学部)

[シンポジウム74-4]減塩の公衆衛生学的・医療経済学的効果に関する都道府県版シミュレーションモデル

*西 信雄 (聖路加国際大学大学院公衆衛生学研究科)