粉体粉末冶金協会2025年度秋季大会(第136回講演大会)

講演特集の案内

 

講演特集
1.外場効果を利用した新たな創製技術と機能発現
 (Towards New Synthesis Technologies and Functionality Derived by External Field Effects)
 無機材料粉末成形体の焼結緻密化技術において近年,電磁場などの物理的な外部場を積極的に利用し,既存の材料開発手法では達成し難い高効率材料製造プロセスの実現,また材料中の新たな微細組織の創出や特異な材料機能・特性の発現などが報告されています.通電加圧焼結はその一例であり,循環型社会の実現など喫緊の社会的要請に応えるためにも,従来の概念にとらわれない新たな材料創製への挑戦が期待されます.
 本特集は,2024年秋季大会に引き続き,外場効果に対する基礎的知見を深めると共に,材料創製にもフォーカスした討論と情報交換の場を提供し,基礎と応用の融合を図ることで当該分野の更なる活性化を推し進める端緒となることを目指します.材料創製はもちろん,焼結に限らず微細組織変化や変形・破壊などを含めた動的現象一般に関係した基礎・基盤的な研究まで,様々な外場効果を利用した創製技術と機能発現に関する講演を広く集めますので,奮ってご参加ください. 


2.磁性材料・磁気デバイスにおける微細構造制御と機能発現
 (Control and Manipulation of Microstructure in Magnetic Materials for Functional Devices)
 本特集では,ハード磁性,ソフト磁性等の様々な材料について,バルク,薄膜,微粒子等の形態を問わず,材料の磁気特性や応用先における機能と微細構造を結び付けて議論する多くの研究を紹介してきました.永久磁石用ハード磁性材料,パワーエレクトロニクスのためのソフト磁性材料では,新規材料設計や新規作製プロセスについて注目し,合金系磁性体からフェライトまで幅広く募集いたします.これらは持続可能でスマートな人に優しい社会を実現する上で必要であり,パワーエレクトロニクスにおいて不可欠の材料・デバイスで,日本が世界をリードする重要なものとなっています.また,通信技術の進展に伴う高周波対応材料・デバイスについても重要性がますます認識され,講演が増えております.さらに,磁性材料の応用範囲を拡大することが期待されるバイオや環境分野などについても,材料,デバイスの提案を含め、新しい話題提供の場となるようなセッションを構成したいと考えています.特に,最近では希土類などの原料サプライチェーン強化や環境負荷低減の観点から磁性部材のサーキュラーエコノミーも注目すべき課題となっています.これらの幅広い磁気に関する講演について,産官学の多様な参加者が一堂に会して討論する場となることを期待して,多くの皆様の講演申込をお待ちしています.また、会場においでいただき、奮ってセッションにご参加ください.

3.硬質(工具)材料に関する新たな展開
 (New Research and Development of Hard (Tool) Materials)
 わが国の基幹産業を支える切削加工,塑性加工,掘削などの機械システムの性能は硬質(工具)材料によって大きく影響されるため,硬質材料の性能,製造プロセス,コスト,資源などの多くの観点からの今後の技術発展および研究が期待されています.本特集では,WC 基超硬合金,Ti(C,N) 基サーメット,ホウ化物サーメット,セラミックス,ダイヤモンド・cBN焼結体,CVD・PVD被膜 などの硬質材料技術に関して,原料,調製技術,材料組織,材料特性,工具特性,解析法,理論,シミュレーション,資源問題(リサイクルおよび省資源)などに関する最近の研究課題と成果,新しい技術動向・進展などの発表を募集します.我が国の硬質材料技術の発展のための研究・開発についての発表と議論を行いたいと思いますので,奮ってご参加ください.

 

4.粉体グリーンプロセスにおける環境・エネルギー関連材料及び技術の新展開
 (New Development of the Environment and Energy Related Materials Using Particle Processing for Green Science)
 近年エネルギーの効率的利用の観点から,エネルギー変換・貯蔵などに関連するデバイス開発や省エネルギー, エネルギー循環プロセスの研究が盛んに進められており,これらの試みには粉体の製造やハンドリングなど, 粉体に関連する技術が強く求められています.そのためエネルギー分野への粉体工学の関わりは,今後よりいっそう強くなる事が予想されます.そこで本特集では,これらエネルギー分野に貢献する粉体工学に関連した研究テーマに関して,合成からプロセス, ハンドリングに至るまで最新技術を幅広く取り上げ,粉体工学の新展開や地球規模での環境問題などへの関わり方について議論したいと考えています. 奮ってご参加ください.

5.粉末積層3D造形に関わる材料および技術の最先端
(Recent Advances of Materials and Technologies on Additive Manufacturing)
 金属やセラミックス,樹脂を原料として直接製品を成形する粉末積層3D造形技術が大きな注目を集めています.本技術には,粉末製造から装置開発,造形挙動の理解や組織解析,造形体の特性評価,ポストプロセス,造形物の検査,構造体の3D設計等が必要で,学術研究だけではなく,航空宇宙,医療,金型等をはじめとする産業応用も急速に拡大しています.積層造形技術と造形体の特徴を把握するためには,粉末の製造技術と造形に必要な特性の理解に加え,材料科学や機械工学等の知識が必要不可欠な状況となっています.これまで計8回の講演特集が開催され,幅広い分野の方が集い学術的な討論並びに産業からの意見交換を行うなど,特色あるシンポジウムとして好評を博しています.当該技術に関連する研究者の方々の積極的なご発表ならびにご興味を抱かれている多方面からのご参加を歓迎します.

6.ナノスケール材料の設計と機能創出
 (Design and Functional Development of Nano-scale Materials)
 ナノスケール材料は,原子・分子レベルでの精密な構造制御により従来にない物性や機能の創出が可能な材料です.ナノ粒子,ナノシート,ナノチューブ,ナノポーラス物質など,1つの方向のサイズがナノメートルスケール(一般的に1〜100 nm)である構造体が含まれます. 本特集では,「ナノスケール材料の設計と機能創出」をテーマに,構造設計,合成技術,界面制御,新規機能の発現メカニズムなど,多角的な視点からの研究発表を広く募集いたします.セラミックス,金属,炭素系材料などの基礎研究から,エネルギー,環境,バイオといった応用分野に至るまで,幅広い話題を対象とします.関連分野の研究者との討論と情報交換の場を提供することで,本協会でのナノスケール材料に関する研究が活性化することを期待しています.若手研究者や大学院生の積極的なご応募も歓迎いたします.

7.イオン伝導性材料の新展開
 (New Developments in Research Related to Ion-Conductive Materials)
 持続可能な社会の実現によるカーボンニュートラルの達成が期待されています.その実現のためには革新的なエネルギーデバイスの開発が必要不可欠であり,構成部材となるイオン伝導性材料の創製は社会が取り組むべき重要課題の1つです.革新をもたらすためには分野の枠組みを超えた多角的な視点による材料・デバイス開発が必要です.
 本特集では,イオン伝導性材料,エネルギー関連の電気伝導性材料ならびにそれらを用いた各種デバイスに関する話題について,興味をお持ちの方々の講演を募集します.例えば,新たな材料の合成方法や材料探索法,物性・構造の評価方法,さらには各種蓄電池(リチウムイオン電池,多価イオン電池,全固体電池,キャパシタなど)や燃料電池の設計など,幅広い領域での講演発表を募集します.未完成の段階でも,アイディアの段階でも結構ですので,奮ってご参加ください.


8.AI時代の電子部品材料開発
 (Materials Development for Electronic Components in the AI Era)
 近年,ChatGPTに代表される生成AIの進展により,データセンターにおけるAIサーバ(学習)の需要が大きく拡大し,大電流での連続稼働という過酷な環境でも故障しない高信頼性を有する電子部品への重要性が高まってきています.また,エッジ連携となるAI(推論),IoT/センサネットワーク,通信,自動運転, ロボット,メタバースなどの最先端技術の進展に対しては,エレクトロニクス機器の高度化・高速高性能化はもとより,小型化・高信頼化を飛躍的に高める技術革新が求められています.これらを支えるのが電子部品デバイス・材料技術であり,特に高機能電子材料は高付加価値製品の実現に必要不可欠となります. 
 本特集では,新しい時代の技術革新を支え実現する電子部品材料やプロセス技術,モジュール化,設計技術など幅広いエレクトロニクス分野に関連する講演を募集します.多くの方々の参加をお待ちしています.