講演情報
[P5-02]活動性の低下したがんの利用者がスタッフの連携により病前の趣味を再開することができた事例
*杉森 初江1 (1. かしのき訪問看護ステーション)
キーワード:
がん、連携、QOL
【はじめに】
がん患者の体力、身体機能の維持や生活の質(以下、QOL)を向上させるために、リハビリテーションの役割は重要であり、多職種連携が必要と考えられている。今回、外出意欲や活動性が低下していたがんの利用者に対して、訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)を開始し、看護師や療法士の連携のもと、病前の趣味であるボウリングを再開することができたと考える為、報告する。
【症例紹介】
70歳代男性。202X年に直腸がんと診断され、ストマ造設。化学療法を継続していたが、202X+3年に全身倦怠感、浮腫増強あり、化学療法中止。今後の積極的治療を希望せずBSC方針。同年6月より訪問看護、10月より訪問診療、11月より訪問リハ開始。既往歴に頚椎症あり。開始時の身体機能は右肘関節、左膝関節の伸展制限あり、筋力は握力右17.7kg、左29.4kg、下肢MMT4-5レベル。ADLは概ね自立。独居でエレベーターのない集合住宅の2階に住んでおり、階段には手すりなし。病前はトラック運転手で、釣りやボウリングの趣味があったが、訪問リハ開始当初は体力や外出意欲の低下、階段昇降への不安から外出せず、一日中自宅で動画を観ている生活だった。
【介入内容と結果】
開始当初は屋外に出ることへの拒否が強かったが、何度かお誘いして屋外歩行を実施できた。その後も外出意欲は低いものの、屋外歩行練習をしていただける機会が増えていった。日常では一人で外出や友人との食事に行くことも増えていき、釣りやボウリングを再開したいと本人から希望あり。趣味の再開を目標に、筋力トレーニングやバランス、歩行練習を中心に介入。202X+4年12月、家族・友人の同行が困難なこと、安全面の配慮から、タクシーに乗って、当スタッフとボウリングに行くことを計画したが、同月に小腸イレウスで入院のため中止。小腸横行結腸バイパス術施行、202X+5年1月自宅退院。同月から化学療法再開。本人より再度ボウリングへの強い希望あり、主治医に許可を得て、同年4月に当スタッフとケアマネージャー同行のもと、開催することができた。また行きたいと大変喜んでいた。同年3月の握力評価は右20.3kg、左34.6kg。途中で入院があったものの、筋力向上みられ、長時間の外出に耐えられる体力をつけることができた。
【考察】
訪問リハにより、それまで外出意欲が低下し、引きこもり状態だった、がんの利用者の活動性を上げることができ、更に病前の趣味を再開したいと意欲も上げることができた。ただ、実行に向けて課題は多く、課題解決にはスタッフの連携や実行力が必要であることが今回の事例を通して理解できた。がんの利用者のQOL向上や目標を達成するためには、困難な課題が含まれる場合も多いため、スタッフで連携して介入する必要があると考える。
【倫理的配慮、説明と同意】
ご本人に本発表の目的、方法、個人情報の保護に関して説明し、書面にて同意を得た。
がん患者の体力、身体機能の維持や生活の質(以下、QOL)を向上させるために、リハビリテーションの役割は重要であり、多職種連携が必要と考えられている。今回、外出意欲や活動性が低下していたがんの利用者に対して、訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)を開始し、看護師や療法士の連携のもと、病前の趣味であるボウリングを再開することができたと考える為、報告する。
【症例紹介】
70歳代男性。202X年に直腸がんと診断され、ストマ造設。化学療法を継続していたが、202X+3年に全身倦怠感、浮腫増強あり、化学療法中止。今後の積極的治療を希望せずBSC方針。同年6月より訪問看護、10月より訪問診療、11月より訪問リハ開始。既往歴に頚椎症あり。開始時の身体機能は右肘関節、左膝関節の伸展制限あり、筋力は握力右17.7kg、左29.4kg、下肢MMT4-5レベル。ADLは概ね自立。独居でエレベーターのない集合住宅の2階に住んでおり、階段には手すりなし。病前はトラック運転手で、釣りやボウリングの趣味があったが、訪問リハ開始当初は体力や外出意欲の低下、階段昇降への不安から外出せず、一日中自宅で動画を観ている生活だった。
【介入内容と結果】
開始当初は屋外に出ることへの拒否が強かったが、何度かお誘いして屋外歩行を実施できた。その後も外出意欲は低いものの、屋外歩行練習をしていただける機会が増えていった。日常では一人で外出や友人との食事に行くことも増えていき、釣りやボウリングを再開したいと本人から希望あり。趣味の再開を目標に、筋力トレーニングやバランス、歩行練習を中心に介入。202X+4年12月、家族・友人の同行が困難なこと、安全面の配慮から、タクシーに乗って、当スタッフとボウリングに行くことを計画したが、同月に小腸イレウスで入院のため中止。小腸横行結腸バイパス術施行、202X+5年1月自宅退院。同月から化学療法再開。本人より再度ボウリングへの強い希望あり、主治医に許可を得て、同年4月に当スタッフとケアマネージャー同行のもと、開催することができた。また行きたいと大変喜んでいた。同年3月の握力評価は右20.3kg、左34.6kg。途中で入院があったものの、筋力向上みられ、長時間の外出に耐えられる体力をつけることができた。
【考察】
訪問リハにより、それまで外出意欲が低下し、引きこもり状態だった、がんの利用者の活動性を上げることができ、更に病前の趣味を再開したいと意欲も上げることができた。ただ、実行に向けて課題は多く、課題解決にはスタッフの連携や実行力が必要であることが今回の事例を通して理解できた。がんの利用者のQOL向上や目標を達成するためには、困難な課題が含まれる場合も多いため、スタッフで連携して介入する必要があると考える。
【倫理的配慮、説明と同意】
ご本人に本発表の目的、方法、個人情報の保護に関して説明し、書面にて同意を得た。
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