講演情報

[P5-03]月1回の訪問リハビリ介入で歩行再獲得に至った一症例 ―生活動作を基盤とした目標設定と多職種連携の効果―

*板谷 敬晴1 (1. みんなのかかりつけ訪問看護ステーション緑)
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キーワード:

低頻度介入、目標設定、家族を含めた他職種連携

【はじめに、目的】
訪問リハビリでは、利用者の受け入れ状況や生活背景に応じて介入頻度を調整する必要がある。しかし、低頻度介入における具体的支援方法や効果についての報告は少ない。本報告の目的は、月1回という低頻度介入においても、生活動作に着目した目標設定および家族・多職種連携を行うことで、歩行再獲得に至った症例を報告することである。【症例紹介、評価結果と問題点】
症例は81歳男性。圧迫骨折後の疼痛増悪により、自宅内を這って移動する生活となった。ADLは見守りレベルで実施可能であった。妻、娘との3人暮らしであり、娘は精神疾患を有し不安定な状況であった。本人は仕事での表彰歴や卓球指導経験を有し、活動性の高かった過去への自負が強かった。そのため、訪問回数増加や福祉用具導入などの提案は、現状を受容することにつながりやすく、本人の自尊心や家族背景から受け入れ困難な状況であった。
【介入内容と結果】
本人が受け入れ可能であった「月1回」の訪問リハビリ頻度を尊重し、ケアマネジャーとも支援方針を共有した。介入では筋力増強練習や歩行練習を前面に出さず、「這って移動」から「立ち上がり後の数歩の伝い歩き」、さらに「手すりを活用したトイレまでの歩行」へと、現在可能な生活動作を基盤とした段階的目標設定を行った。また、妻はリハビリ内容を継続的に記録しており、本人も妻からの声かけには一定の受容がみられたため、妻と目標および実施内容を共有し、日常生活内で継続的に声かけを行う体制を構築した。さらに、ケアマネジャーによる月中のモニタリングと、月末の訪問リハビリによる進捗確認および目標再設定を繰り返す支援サイクルを構築した。結果、自宅内歩行が可能となり、這って移動することは消失した。また、歩行器を使用した屋外歩行が可能となり、近隣小学校周辺を散歩した際には、過去を振り返りながら笑顔で話す様子がみられた。
【考察】
月1回という低頻度介入であっても、本人が受け入れ可能な介入頻度を尊重し、生活動作を基盤とした小目標を継続的に提示したことで、自尊心を損なうことなく行動変容につながったと考える。また、家族およびケアマネジャーと役割を共有し、日常生活内で継続支援できる体制を構築したことが、機能改善につながった要因と考えられた。低頻度介入においては、介入量そのものだけでなく、生活場面への定着を意識した支援体制構築が重要である可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本報告は本人および家族へ十分に説明を行い、口頭および書面にて同意を得た。また、個人情報保護に十分配慮した。

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