講演情報

[3K0201-07-02]金と銀を分ける鉱業技術:中世〜近世の日本

○井澤 英二1 (1. 九州大学名誉教授)
司会:久間 英樹(九州大学)

キーワード:

金銀分離、エレクトラム、試金石、硫黄分銀法、焼金法

自然界で金は、金銀の合金として産する。そのため、金を貨幣として使用するためには金位を揃える必要が生じる。日本の古代産金は、中熱水金鉱床に由来する砂金であり、産物は自然金であった。しかし、近世の日本は佐渡金山に代表される浅熱水金鉱床のエレクトラムから金を生産した。そのため鉱業の技術として、金銀分離を用いる必要があった。佐渡金山では17世紀初期に、金位の低い粗金銀を硫黄分銀法によって処理した。さらに、江戸金座の小判師による焼金法の金銀分離が行われた。これらの金銀分離技術が、いつどのように日本に定着したのか不明である。本論では、中世末に進行した重要な鉱山技術の変革の例として金銀分離について考察する。