講演情報
[P021B [発表前半]]ヘテロ原子含有抽出剤含浸吸着材による貴金属クロロ錯体の選択的保持・溶離挙動
○宇津 亘眞1[修士課程]、新井 剛1、平林 欣也2、壁谷 真徳2 (1. 芝浦工業大学、2. 相田化学工業株式会社)
キーワード:
抽出クロマトグラフィー、貴金属回収、抽出剤含浸吸着材、クロロ錯体、精錬工場廃液
Au(III),Pd(II),Pt(IV)に代表される貴金属は,電子材料や触媒材料に不可欠な有価金属であり,精錬廃液等の二次資源からの選択的分離・回収技術の確立が求められている. 本研究では,貴金属が塩酸溶液中で形成するクロロ錯体と中性抽出剤の供与原子との相互作用に着目し,ヘテロ原子の異なる中性抽出剤を無機−有機複合担体(SiO2-P)に含浸した吸着材を用いて,Au(III),Pd(II),Pt(IV)の吸着・溶離挙動を評価した. 0.1~9 M HCl中での多元素系吸着試験の結果,DHS含浸吸着材はPd(II)に対して塩酸濃度に依存せず高い親和性を示し,TOPO含浸吸着材はPt(IV)に対して高い吸着性を示した. また,Au(III)はいずれの吸着材にも吸着する傾向を示し,抽出剤構造に応じて貴金属クロロ錯体の選択性が変化することが明らかとなった. さらに,カラム通液試験により動的吸着・溶離挙動を評価し,チオ尿素溶液を用いた貴金属回収の可能性を検討した. 以上より,中性抽出剤のヘテロ原子構造と塩酸濃度を制御することで,精錬廃液中貴金属の段階的分離回収へ展開できる可能性が示された.
