講演情報
[1203]酸性水電解用ハイエントロピー合金電極触媒の多変量解析を用いた検討
○猪狩 佑太1[修士課程]、板野 敬太2、福本 倫久1、高橋 弘樹1 (1. 秋田大学、2. 海洋研究開発機構)
司会: 八木俊介(東京大学)
キーワード:
ハイエントロピー合金、酸性水電解、電極触媒、多変量解析、マテリアルズ・インフォマティクス
高負荷変動に追従できるPEM型水電解の普及には,過酷な酸性環境で稼働する高価な貴金属触媒の代替が不可欠である。その代替として,非貴金属ハイエントロピー合金(HEA)が有望視されているが,膨大な組成空間からの最適解探索が課題である。そこで本研究では,データ駆動型アプローチを用いた効率的なHEA電極触媒の材料設計プロセスの確立を目的とした。スパッタリング法で作製した非貴金属合金薄膜の水素・酸素発生反応(HER・OER)活性データから,最小二乗回帰(PLS)とガウス過程回帰(GPR)モデルを構築した。結果として,HERではWやMoの過電圧低減効果が示唆され,GPRによる不確実性を加味した予測では,AlMnCuMoWなどが有望な次期候補として抽出された。一方,OERでは活性データの少なさに起因する過学習が課題となった。これを解決するため,同条件で作製した高活性なPt系合金データを正のアンカーとして学習に導入した。その結果,不足していた活性の勾配が補われて汎化性能が改善し,OERにおいても高精度な予測(R = 0.98)と適正な解釈が可能になった。本手法は,広範なHEA組成空間から高活性触媒をスクリーニングし,材料探索を加速させる有効な手段となり得る。
