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[P063C [発表前半]]高炭酸イオン濃度の坑廃水処理における消石灰の溶解特性および生成殿物量への影響
○佐々木 直哉1[修士課程]、淵田 茂司1 (1. 東京海洋大学)
キーワード:
坑廃水、中和処理、消石灰、地球化学コード、炭酸イオン
操業中および閉山した鉱山から流出する重金属を含む坑廃水の処理として,安価な消石灰(Ca(OH)2)による中和処理が実施されている。消石灰は溶解度が比較的小さいため,通常スラリー状の石灰乳として使用される。しかし,坑廃水中に高濃度の重炭酸イオン(HCO3−)や硫酸イオン(SO42−)が含まれる場合,未溶解のCa(OH)2との反応によりCalcite (CaCO3)やGypsum (CaSO4・2H2O)などの無機塩類が過剰に生成される可能性がある。また,それらがCa(OH)2粒子表面を被覆することで溶解度が著しく低下し,処理効率の低下やコストを増加させる要因となる。本研究では,HCO3−が高濃度に含まれる北海道A鉱山の坑廃水(pH 6.1,HCO3−: 709 mg/L)および模擬廃水を用いたCa(OH)2による中和試験を実施し,Ca(OH)2溶解におけるHCO3−の熱力学的な影響および殿物生成量への影響について評価した。中和処理後の沈殿物をX線回折で分析した結果,Calciteのピークが確認された。これをもとに地球化学コードで熱力学平衡計算を実施したところ,沈殿物Caのうち約15 %がCa(OH)2であることが示唆された。また,生成する沈殿物は中和剤としてNaOHを用いた場合の1.2倍となることから,未溶解のCa(OH)2がCaCO3の生成を促進し,沈殿物量の増加に大きく影響したと考えられる。
