講演情報
[P070C [発表後半]]福島県長瀬川流域における重金属類の自然浄化機構と暴露リスク評価
○相田 拓海1[修士課程]、川辺 能成1、石坂 知弥1、斎藤 健志2、渡部 直喜3 (1. 早稲田大学、2. 産業技術総合研究所、3. 新潟大学)
キーワード:
酸性河川、重金属類、自然浄化、曝露評価、長瀬川
日本には、廃鉱山からの坑廃水に由来する酸性河川が数多く存在する。一部では中和処理などの対策がとられているが、河川規模や資金面などの問題から、すべてで同様の対策を実施することは困難である。そこで本研究では、福島県の硫黄川を対象に河川水のpHおよび重金属類濃度を調査し、支流から流入する非汚染水による希釈効果を評価した。また、河川底質および周辺土壌への重金属類の移行特性についても検討し、酸性河川における自然浄化機構の解明を試みた。その結果、上流部の河川水においてヒ素などが環境基準を超過していたが、流下に伴い濃度は低下し、下流では基準を下回っていた。この濃度低下は支流からの非汚染水の流入による希釈に加え、重金属類の河川堆積物への移行・蓄積によるものと考えられ、一定の自然浄化機能が示唆された。一方で、pHは流下に伴う上昇がみられたものの、全区間で環境基準を満たしていなかった。現時点では生活環境への影響は確認されていないが、洪水に河川水や堆積物が生活域へ移動した場合、周辺環境への汚染リスクが高まる可能性がある。したがって、今後は異常気象時の河川水・堆積物の移動を考慮した曝露リスク評価が必要である。
