講演情報
[P073C [発表前半]]透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた層状複水酸化物(LDH)の陰イオン吸着機構の解明
○矢吹 里穂1[修士課程],3、箕田 弘喜1、小村 一行2、三代 江里子2、保高 徹生3、西方 美羽3、清水 俊樹1 (1. 東京農工大学大学院、2. 株式会社水環境エンジニアリング、3. 産業技術総合研究所)
キーワード:
層状複水酸化物(LDH)、陰イオン吸着、透過型電子顕微鏡(TEM)、局所構造解析
近年、地下水・土壌中のフッ素汚染が問題となっており、その除去材料として層状複水酸化物(LDH)が注目されている。しかし、フッ素イオン吸着に伴うLDHの構造変化や吸着過程の詳細は未解明である。本研究では、Al-Mg合金系LDHへのフッ素イオン吸着に伴う構造変化を明らかにすることを目的とした。異なるフッ素イオン濃度の溶液にLDHを入れた後に、振とう処理によりフッ素イオン吸着させた試料について、粉末X線回折(PXRD)、透過型電子顕微鏡(TEM)、エネルギー分散型X線分光(EDS)およびイオンクロマトグラフィーを用いて評価した。PXRD解析の結果は、吸着進行に伴う層間距離および層内原子間距離のわずかな減少を示した。加えて、TEM観察では、吸着前試料と比較して、水中振とう試料およびフッ素吸着試料で粒子端部の微細化の進行を示唆する結果が得られた。さらに、高分解能観察により局所構造の不均一化や層間距離の揺らぎが確認された。またEDS解析から、Alを多く含む領域にフッ素が偏在する傾向が示された。これらの結果は、LDHのイオン吸着過程の理解に電子顕微鏡を用いたナノ構造分析が有効であることを示している。
