講演情報
[P075C [発表前半]]タイヤ酸化防止剤由来6PPD-Quinoneの農作物への吸収リスク評価に向けた土壌吸脱着挙動の検討
○奥薗 羽杏1[学士課程]、菅原 一輝1、原 淳子2 (1. 北九州市立大学、2. 産業技術総合研究所)
キーワード:
6PPD-Quinone、吸脱着、タイヤ摩耗粒子
近年、自動車のタイヤの酸化防止剤由来の化合物である6PPD-Quinone(6PPD-Q)による環境汚染が深刻な問題となっている。実際に過去20年以上にわたり、シアトルなどの北米西海岸の都市河川でギンザケの大量死が報告されており、2021年にワシントンの大学研究チームが自動車のタイヤの酸化防止剤として含まれている N-(1,3-dimethylbutyl)-N‘-phenyl-p-phenylenediamine(6PPD)の酸化物であるN-phenyl-N’-(1,3-dimethylbutyl)-p-phenylenediamine-Quinone(6PPD-Q)が原因であると報告した。6PPD-Qは水環境のみならず、あらゆる環境系に移動することが予測されている。そこで農作物が根から、土壌や水中の6PPD-Qを吸収・蓄積することで、6PPD-Qを含む農作物をヒトが経口摂取するリスクについて検討した。当研究室の先行研究では水耕栽培条件下で農作物への6PPD-Qの蓄積が確認された。しかし、実際の栽培環境である土壌中において6PPD-Qが保持されるかは明らかにされていない。そこで本研究では、3種の土壌への6PPD-Qの吸脱着試験を行った。実験には、石英砂、黒ボク土(JSO-1、標準土壌試料)、粘土(カオリナイト)を用い、6PPD-Qの吸着試験により、各土壌に対する吸着量を検証する。また、先行研究において根菜類の根から共通して分泌が確認されているコハク酸を用いた脱離試験を行い、植物が分泌する有機酸による脱離量を評価する。
