講演情報
[2306]活性炭共存下での鉄酸化菌を媒介とした電気炉ダストからの選択的亜鉛浸出
○権田 夢輝1[学士課程]、野澤 亮太、笹木 圭子1 (1. 早稲田大学)
司会: 上田高生(産総研)
キーワード:
電気炉ダスト、ZnFe₂O₄、バイオリーチング、鉄酸化菌、活性炭
電気炉ダスト中の亜鉛は主にZnOと酸への反応が極めて弱いスピネル型構造のZnFe₂O₄として存在し、Fe₃O₄もこれに混合している。従来の乾式製錬法や強酸浸出法による亜鉛の回収は、環境負荷とコストにおいて課題がある。本研究では、鉄スクラップ由来の電気炉ダストから鉄酸化菌を用いたバイオリーチング手法の適用を検討した。まず初期pH、pulp濃度の最適な条件を明らかにし、鉄酸化菌単独及び硫黄酸化菌との混合も検討した。この系に活性炭を添加したときにはZnの抽出率が88%に増大し、ZnとFeの分離が向上したことが示された。鉄酸化菌によるFe2+→Fe3+と活性炭表面におけるFe3+→Fe2+との循環が起こっているか否かを確かめるために、活性炭及びFe₃O₄を用いたモデル実験を行った。その結果、活性炭はFe3+を吸着するとともに、表面においてFe3+を還元することが確認された。したがって、鉄酸化菌と活性炭によるFe3+/Fe2+の酸化還元サイクルはZnFe₂O₄の溶解平衡をZn溶解側へ移動させることが示唆された。以上より、活性炭共存下での鉄酸化菌によるバイオリーチングは難溶性のZnFe₂O₄を含む電気炉ダストから、亜鉛を選択的に回収する技術として期待される。
