講演情報

[2411]降雨時における岩盤脆弱部の複合的相互作用に着目した石灰石鉱山残壁の力学的挙動解析

○増永 晃弘1[修士課程]、才ノ木 敦士1 (1. 熊本大学)
司会: 奈良禎太(京都大学)

キーワード:

石灰石鉱山、力学的挙動解析、降雨、岩盤脆弱部

日本国内の石灰石鉱山では、長年にわたりベンチカット工法による採掘が行われ、カバーロック式残壁が形成されている。これまで、それらの残壁に対して様々なモニタリング手法が適用され、降雨強度に応じた残壁の変形挙動ならびに地下水位の変化が明らかになっている。また、種々の降雨対策工が実施され、その成果が報告されてきた。しかしながら、降雨対策工が残壁内部の岩盤の変形挙動抑制や安定性向上に寄与する影響については、定量的評価が十分にはなされていない状況にある。そこで、本研究では、降雨対策工の影響を定量評価することを最終目的とし、数値シミュレーションを用いて降雨時における残壁内部の脆弱部(き裂・弱層・互層帯)の複合的な力学挙動を評価した。その結果、切羽下部に存在する弱層において豪雨時に生じる滑動が残壁内部の互層帯の滑動を誘発し、残壁表面の変形挙動へ繋がった可能性が示唆された。また、以前に残壁内部に存在していた滞留性地下水領域について、豪雨時には周辺領域と比較して顕著な地下水位の上昇が生じていた可能性が示唆された。これらの知見は、今後の降雨対策工評価において活用されることが期待できる。