講演情報

[3108]CO₂-EORにおける炭酸塩貯留層の濡れ性変化:NaCl溶液中における酸価が濡れ性に及ぼす影響

○角谷 春1[修士課程]、エラクネス ヨガラジャ1、アミル ウバイダ1 (1. 北海道大学大学院)
司会: 坂口清敏(東北大学)

キーワード:

石油増進回収、濡れ性変化、炭酸化、酸価、地球科学モデリング

近年、CCUSの一環として、石油回収率向上とCO₂貯留を同時に実現するCO₂-EORが注目されている。炭酸塩岩貯留層では岩石表面の濡れ性が回収効率に大きく影響するが、塩分濃度や原油特性による濡れ性変化の定量評価は十分に確立されていない。本研究では、NaCl溶液中のカルサイト表面における濡れ性変化に対し、原油の特性を表す酸価およびNaCl濃度が及ぼす影響を、AAS(Available Adsorption Sites)とSN(Stability Number)の二指標により評価した。ゼータ電位測定結果をもとに表面錯体モデルおよびCD-MUSICモデルを用いて、岩石/塩水界面と油/塩水界面の電荷特性を再現した。その結果、NaCl濃度の増加により電気二重層の遮蔽効果が強まり、界面電位が変化することが確認された。AASでは酸価増加およびNaCl濃度の希釈により油濡れ化し、CO₂注入により水濡れ化を示した。一方、SNでは酸価増加およびCO₂注入により油濡れ方向へ変化し、NaCl溶液の希釈では水濡れ方向へ変化した。以上より、AASとSNはCO₂-EORにおける炭酸塩岩の濡れ性変化を定量化する有効な指標となり得るが、適用範囲には限界があることが示された。