講演情報

[3210]特殊鋼精製に用いるCaF2–Al2O3–CaO系溶融スラグの高精度電気伝導率測定と組成依存性評価

○田上 陽貴1[修士課程]、墨田 岳大1、齊藤 敬高1 (1. 九州大学)
司会: 夏井 俊悟(東北大学)

キーワード:

電気伝導率、溶融スラグ、van der Pauw-Ohta法、インピーダンス

本研究では、エレクトロスラグ再溶解(ESR)プロセスに用いられるCaF2-Al2O3-CaOおよびCaF2-Al2O3-CaO-SiO2系フラックスの電気伝導率について、高精度測定と組成依存性の評価を行った。従来の測定では、セル定数の不確かさや測定抵抗の周波数依存性が課題であった。本研究では、セル定数を必要としないVan der Pauw-Ohta法を適用するとともに、周波数掃引によってリアクタンス成分を除去し、高精度な電気伝導率測定を実現した。実操業に近い組成の試料を対象に1450~1600 ℃で測定を行った結果、95%信頼区間の平均誤差約1.3%の高精度な測定結果が得られた。電気伝導率は温度上昇とともに増加し、Arrheniusの関係に従った。CaF2含有量の増加は、Ca-Fクラスターによるネットワーク構造の希釈およびキャリアイオン数の増加により電気伝導率を向上させた。一方、AlO1.5およびSiO2の増加はネットワーク構造の発達により電気伝導率を低下させ、特にAlO₁.₅は電荷補償Ca²⁺を拘束するため影響が大きかった。さらに、Arrheniusモデルに基づく重回帰分析により電気伝導率推定式を構築し、決定係数R²=0.948、グローバルデルタΔ=8.52%と高い再現性を示した。これにより、ESRフラックスの電気伝導率に対する各成分の寄与を定量的に明らかにした。