講演情報
[14-O-D002-05]睡眠と周辺症状の改善を目指してアロマで心地よい眠りを
*米澤 裕美1 (1. 宮崎県 介護老人保健施設サンフローラみやざき)
認知症による睡眠と周辺症状の改善を目的に一日を通してアロマオイルの使用を行った。結果、日中のトイレの訴えが減少、夜間の睡眠効率が向上した。その要因は、煩雑な介護現場においても簡単に行え、継続して取り組むことでアロマの効果を十分に活かせたからだと考える。また、介護する側も気持ちが落ち着き、双方にとって良い影響を与えた。私たちは日々「不安」に対してアプローチをしていく必要性を感じた。
【はじめに】
当施設は超強化型の老健として短期入所を含め85名の入所者を受け入れている。その中でも認知症高齢者の日常生活自立度がIIIa以上を占める割合は6割以上と高く常に認知症への対応が求められている。今回、認知症においても効果が認められているアロマテラピーを用いて睡眠と周辺症状の改善が見られたので発表する。
【事例紹介】
Κ氏 86歳 女性 要介護3 MMSE15点
日常生活自立度IIIa アルツハイマー型認知症脳血管性認知症の混合型 夕方ごろになると不穏状態となり介護拒否が目立つ。また短期記憶障害から日中のトイレの訴えが多い。夜間帯も中途覚醒が多く、取り組みの1か月前から屯用で眠剤が処方されていた。しかし改善傾向には至らなかった。
【取り組み内容】
R5.5/5~5/30の期間、就寝前に、Κ氏の足裏と首筋に2%に希釈したブレンドオイルを塗布する。アロマの効果が判断できるよう、屯用の眠剤は使用せず経過観察を行った。日中はホールでディフューザーを使用する。眠りスキャンを使用し夜間帯の中途覚醒の回数、睡眠状態などを記録する。取り組み前と取り組み後に看護・介護職員にアンケートを実施する。
【結果】
夜間帯の睡眠効率は47%から54%まで上昇。離床回数も平均8.2回から4.8回まで減少する。不眠傾向が改善された為、そのまま眠剤は中止となる。日中のトイレの訴えは半分程度と大幅に減少がみられた。職員のアンケートでは、日中に変化を感じたと答える職員が5割程だったのに対し、夜間帯は7割以上が変化を感じたと答えた。Κ氏の変化としては夜間の興奮状態はなくなり、表情は穏やかで感謝の言葉が増えた。
【考察】
加齢に伴い睡眠の変化がある。Κ氏は中途覚醒が多く眠剤薬の処方が継続されていた。Κ氏の眠れないといった症状は中核症状から引き出された行動心理症状の一つである「不安」からくるものと考える。私達介護職はこの「不安」に対してアプローチする必要がある。日中のトイレの訴えや夕方からの不穏状態も軽減され、夜間の不眠傾向も改善された。アロマの使用は簡単で、煩雑な介護現場でも気軽に使用でき、毎日継続して行う事でアロマの効果を十分にいかせたことが要因と考える。また取り組みを通して利用者様介護者双方にとっても良い影響を与える事ができた。
【まとめ】
私たちは認知症の方の不安に対して日々向き合い、相手の気持ちも自分の気持ちも穏やかにその人らしく過ごせるように関わっていきたい。
当施設は超強化型の老健として短期入所を含め85名の入所者を受け入れている。その中でも認知症高齢者の日常生活自立度がIIIa以上を占める割合は6割以上と高く常に認知症への対応が求められている。今回、認知症においても効果が認められているアロマテラピーを用いて睡眠と周辺症状の改善が見られたので発表する。
【事例紹介】
Κ氏 86歳 女性 要介護3 MMSE15点
日常生活自立度IIIa アルツハイマー型認知症脳血管性認知症の混合型 夕方ごろになると不穏状態となり介護拒否が目立つ。また短期記憶障害から日中のトイレの訴えが多い。夜間帯も中途覚醒が多く、取り組みの1か月前から屯用で眠剤が処方されていた。しかし改善傾向には至らなかった。
【取り組み内容】
R5.5/5~5/30の期間、就寝前に、Κ氏の足裏と首筋に2%に希釈したブレンドオイルを塗布する。アロマの効果が判断できるよう、屯用の眠剤は使用せず経過観察を行った。日中はホールでディフューザーを使用する。眠りスキャンを使用し夜間帯の中途覚醒の回数、睡眠状態などを記録する。取り組み前と取り組み後に看護・介護職員にアンケートを実施する。
【結果】
夜間帯の睡眠効率は47%から54%まで上昇。離床回数も平均8.2回から4.8回まで減少する。不眠傾向が改善された為、そのまま眠剤は中止となる。日中のトイレの訴えは半分程度と大幅に減少がみられた。職員のアンケートでは、日中に変化を感じたと答える職員が5割程だったのに対し、夜間帯は7割以上が変化を感じたと答えた。Κ氏の変化としては夜間の興奮状態はなくなり、表情は穏やかで感謝の言葉が増えた。
【考察】
加齢に伴い睡眠の変化がある。Κ氏は中途覚醒が多く眠剤薬の処方が継続されていた。Κ氏の眠れないといった症状は中核症状から引き出された行動心理症状の一つである「不安」からくるものと考える。私達介護職はこの「不安」に対してアプローチする必要がある。日中のトイレの訴えや夕方からの不穏状態も軽減され、夜間の不眠傾向も改善された。アロマの使用は簡単で、煩雑な介護現場でも気軽に使用でき、毎日継続して行う事でアロマの効果を十分にいかせたことが要因と考える。また取り組みを通して利用者様介護者双方にとっても良い影響を与える事ができた。
【まとめ】
私たちは認知症の方の不安に対して日々向き合い、相手の気持ちも自分の気持ちも穏やかにその人らしく過ごせるように関わっていきたい。